メルセデスのある生活 4


文:喜多川 グラマロ
Fig.1
Fig.2
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Fig.3
Fig.4
Fig.5
Fig.6
Mercedes Benz R107・・・これは究極のモデルカーである。過去にもこいつにすっかりハマッてしまった人間、そして経済的な理由や用途にそぐわず諦めてしまった(足を洗った)人間も多いだろうと思う。こいつは上品な顔した魔物であるといいたい・・・

最近はすっかり構えずちゃらり〜んと走っていて、幅ギリギリの裏道に足を踏み入れることしばしば。タクシーとすれ違う時にあちらのバンパーがピーッとオイラの横っ腹に線を付けたのもつい先日だがコンパウンドで見事に綺麗になった。流石に真っ赤なベンツのオープンカーを擦ってしまった時のタクシードライバーは恐ろしく恐縮しておりボクはかえってバツが悪かった。
 で、夜に裏道に入った時に少々気になったのがライトが若干暗いこと。
自宅徒歩1分、深夜までGoGoスーパードンキーへ早速駆けつけた。走って。

激安H4を2セット購入。ちょいとコツあるバルブ交換を開始したのは夕方5時。取り付け完了した時はまだテスト点灯するには早い明るさである。なれちゃうと・・・片側5分?といったところである。

ドライビングランプがやけに黄色く見えるほど(Fig.1)4300ケルビン級の「ナンチャテHID」の出来上がりである。ベンツのバルブは「H4」であるが、最近はH4uしか置いていない。「U」って何か?それは説明するのもバカバカしい程度の差なのでH4UのバルブはH4にも着くがH4Uに車にH4は付かない・・・それだけでいいと思う。その馬鹿馬鹿しい程の「差」は付けてみたら解る。
本物H.I.D.であるMr.Ezzy号(Fig.2)と並んでみると色合いはやや似ているものの照度は一味違う!
 ちなみにこのEzzy号何が凄いかというと、AMGの17インチフラットディッシュ、フロントエアダム!いやいやそんなことではない。トランク以内に入っている予備のパーツと彼の頭に入っている知識・経験であり、これは尋常ではない。トランクの中に入っているパーツといっても大凡、R107オーナーが経験しディーラーで高額な支払いを強いられるものばかり厳選されている。つまり彼も嫌というほど経験しているわけなのだ。現にワタクシのトレイシーちゃんも結構なわがまま嬢であるが、Ezzy氏と出会っていなければ今のコンディションに至るまでに爆発的な出費を被っていただろう。ここ数ヶ月で交換したパーツを彼に伝えるとその全てがトランクから出てきた(爆)。

 さて、急なエアコンの不調でどうしたものやら悩んでいたが、港北ニュータウンの「JUST」という会社にお願いした。この会社は10000台のリース社を抱える会社でファクトリーが専業ではない。しかし台数が多いだけにバックアップもきっとすばらしいに違いないと思い、扉を叩いた。実際には自動ドアなので叩く扉も無いが・・・
とても立派なビルの裏手にこれまた立派な工場(Fig3)。仕事のスピード、スタッフの質・・・これはもうディーラー以上である。とてもまじめなちゃんとした工場という印象である。工賃も安くおかしな車も一切無い。ちゃんとした車が一般的な点検を受けるにはうってつけである。

ここでエアコンのリレーを直して、一路これまた港北の「ユーケーツー」(Fig4)へ足を向けた。このファクトリーは外車を、メインにやっているようでリフトに上がっていたのはベンツ、ポルシェ、スティングレー、BMWと欧米の新旧が入り乱れた外車ヤサンである。ここ、ハッキリいってお奨め!車検も得意で・・・つまりその・・・とても・・・まあTELしてみてほしい。僕は足回りの最後の作業ダンパー交換でステダン込みで30000円也。一日でビルシュタインというハイヒールをトレイシーちゃんに履かせてくれたのである。
 あたらしいハイヒールに履き替えたドイツ娘を連れてナイトランへ出かけた。
ブッシュ関係で十分しなやかになったが、ニューダンパーはトレイシーちゃんを空飛ぶじゅうたんにしてくれた。もともと「コニ印」や「カヤバ印」を所望したが、これもEzzy氏の推奨でしなやかなものに変更し「ビルシュタ印」コンフォートシリーズにしてみた。結果的に大当たりである。
 Fig.5は土曜の夜の保土ヶ谷PAである。解り難いかもしれないが・・・いじめられているシーンである。21:00を過ぎたあたりからここにいた2台の107。22:00には3台に増えるも、回りには300台以上のバイク軍団である。
よりによってど真ん中にポツンと3台のR107。1:100で負けである(^^;
1台だと「よけやがれ」と言われそうな勢いだが3台もあると「なんか実は古くない?このベンツ。凄くない?」とクルマオンチのライダーでさえも若干存在意義に気づくことができる。丁度真横にいたZ1&Z2軍団とのコンビネーションも+に働いたか?
 22:00をまわってから合流できたもう一台というのが(Fig.6)珍しいラピスブルーの107である。この車両、「現存する新車に近い107コンテスト」というものがあれば恐らくベスト10に入るであろうクルマである。WEBで探す限りデッドストックに近いクルマは1台程見つけることができる。日本中探せば3-4台あるかもしれないが、この車両もおおよそ「ヘタリ」とは無縁である。これに比べると程度自慢のトレイシーちゃんでさえ「ヘタレ」になってしまうほど美しい。あわせて劣化が予想される部品は全ておNEW〜である。これほとんど新車であろう。

 そんな三台で行われた三京ナイト!(と勝手に呼んでいる)
うっかりすると朝刊が来てしまう程、話が盛り上がり・・・一本のTELが引き金となり「ここらで解散〜」となった。
 酒も飲まずにただただクルマの話。ノリは女子高生級!珈琲代以外は何もかからない・・・ゴルフ行ったり、銀座へ通ったり、パチンコで時間の浪費をするよりも案外健康的で安いかもしれない。・・・いや、やっぱ安くないかも(爆)。
「乗り越えてきた数々の浪費は忘れよう・・・ 
   今ここに、新しい感動があるじゃないか!」
( 『Ezzy's Life 1988』 からの抜粋 )