メルセデスのある生活 U


文:喜多川 グラマロ
 遮熱板を撤去してすっかり調子がよくなったトレイシーちゃん(・・・というニックネームのR107)。ネット上でボクの難問奇問に的確且つ迅速に回答をくれるEzzyさんとひょんなことから「お初」となった。深夜の横浜のカフェである。場所もカッチョイイが他の107をじっくり見る初めての機会だったのでちょっと診断してもらった。Ezzyさんの107はボンネットの内張りも輝かしいが、エンジン内つまり燃焼室も駆動系も内装も全てが全てOH済みの極上コンディション。おまけにHIDまでついているほとんど新車のような560である。
 実は遮熱板撤去で異音はなくなったが100%ではなかった。まだ10%異音が残っている。ヤナセでは「解らない」といわれ、他店では「ブレーキに砂がかんでいる音だ」などと全く見当ハズレな事を言われ、自分でようやく見つけ出した社熱板を自宅近くの旧車専門店で撤去したのにまだチリチリ・・・と1200rpmあたりで共振するのだ。驚いたことにEzzyさんは、3分乗って・・・「遮熱版あたりの音が気になる」と、一言。サスガ〜と全面的に尊敬しちゃったのだが「実は先月外したのよ〜ん」というボクの返答をよそに、「遮熱版!」と言い切った。ボクも切り残したボルトがグラついていたのは知っていたが、たかがボルトが音を出すことに自信がもてなかった。しかしEzzyさんの後押しで再度ドック入り・・・と思ったが近所の工場がお休み。落胆である。

そんな午後、簡単なバイクの修理を終えたボクは、軽くテストラン!バオ〜ン・・・と帰り道、「ありゃ?そういえばここは?」自宅から徒歩3分のところに自動車整備工場があるではないか。入り口付近のラーメン屋さんに気をとられてすっかり存在を忘れていたが確かに昔からある。
 早速、自宅へ戻りネットで調査開始。すると・・・創業35年の老舗である。扱っているのは軽〜トラックまでの国産がメインのようであるが、トレイシー(107ネ)もフレームのある古いクルマ。構造はトラックと大きく変わらないだろうし、自動車統計センターだか自動車会館だか、とにかく役所関連系の自動車ページにリンクされているからなんだか安心である。さっそく行ってみた。


やおらフロアジャッキーをつっこむと慣れた手つきでキコキコ・・・別段パッドを当てるでもなくザクッと上がった車体にスルッともぐりこんでジャキギャキ・・・ガガガ・・・カーンカーン、ぐりっ・・・

タバコ吸っているうちにポロリと出てきた3本のボルト。
「一本は、がっちりとまっているから大丈夫だよ」

苦しめられた異音にこれでバイバイかと思うと嬉しくて嬉しくてたまらない。なんたってビビリ音は質感を損ねるだけでなく振動が混ざり合うので他のトラブルをマスクしていまう。

じっくりと乗り込み、イグニッションを捻る。
滑らかなエンジン音そして走り出しは硬質。乗り心地まで変わったように感じるのだからビビリ音の害はデカイ。あまりに嬉しくなってついつい東名へ行ってしまったくらいだ。
約30分、たったの2000円でフィーリングはとてつもなく激変した。



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Ezzy氏のシルバーアロー
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より探してネ!
原因はたった3本のボルト結構うるさいくビビルのだ!