10:45
三台の107は次々と観光バスをかわして北上していった。観光バスの窓からは、オジさんやオバさんが次々に抜き去るSLを指差してる。
「ほら!さっきのだ!ちゃんと走るんだな〜」
などと、バスの人々はひとしきり感心のようである。
10:50
更に北、三台の北北東140km、タバコを地面に踏みつけフーっと煙を空に吐く男がいた。Mr.オランゲである。
珍しいソリッドブラックのボディーにタンの内装。しかもそのタンにコーディネイトされたゴールドの軽量ホイール。
美しく保たれたボディーとBBSの絶妙なコントラストにちらりと目をやると、オランゲは吐き捨てるように言った。
「コーディネイトはこうでねいとなぁ!あはっ!あっははははははははは・・・は・・は・は?」
あえてベタを狙ったオランゲのネタはこの時間帯にはきつかった。というのもその横で硬直していたのは、オランゲの同士である。
彼は北部方面隊第123部隊に所属の、所属の・・・所属の・・・ん〜 ス・スコットだ。確かスコット?ん〜スコットだと思う!
そうだ、彼の名はスコットである。マチガイナイッ!(そうしよう)
スコットは金髪だが、おそらく日本人であろう。
関東方面からくる107部隊を今か今かと待っているのである。
10:50
時同じくして、グラマロ、Ezzy、KKdogは吾妻SAに滑り込んだ。ここで待てばMr.ノースが現れるはずである。
いや・・・すでにあらわれていた。
「どもども・・・」
「あっ、どもども!」
とても普通の挨拶である。かつて一度しか逢ったことのない、しかも年齢もばらばらで、長距離を移動してきたもの同士とは思えないほどのカル〜イ挨拶である。この辺が、たいそうステキなR107乗りである。
「どもども!」
「どもども!・・・行く?」
「あっ、OK!OK!」
「イコイコ!」
真の男達は言葉数が少ないものである。4台も揃ったR107に興奮し「ツーリングですか?写真とっていいですか?」と寄ってきたギャラリーのお兄ちゃんを全く無視し4台の107機動戦隊は休憩の後、更なる北上を続けるのである。
11:00
結論から言おう。4台の爆走、いや暴走SLを眺めていると『20000ccの悪魔のカルテット』という言葉が浮ぶだろう。
その速度は尋常ではない。ハッキリ言うがノース合流前まではありえないスピードである。先頭を引っ張っていくのはMr.ノース!ビッタリとKKdogが続きビビリながらグラマロそして冷静に三台の脚の違い(ノーマル・コニ・ビル)の違いを観察しているEzzyと続く。
4台のSLが爆走している。追い越し車線の車たちは蜘蛛の子を散らすように道を譲る。今時「ヤ」の付く自由業ご一行様だってもうちっと紳士的だろうが・・・
11:55
一台のNEWアウディーががんばっている。ノースはウィンカーをあげながら背後にへばり付く。アウディーもがんばる。丁度180km/hを少し過ぎたあたりでの攻防は続く。(あくまで『作り話』ですよ。実際にはありえない!ありえない!)四つ輪のドイツ車も随分がんばったが、直線でとうとう道を譲った!
「抜けるものなら抜いてみろ!」といわんばかりのアウディーは走行車線に入ったものアクセルを緩めるどころかむしろ加速している。
『年寄りベンツになんか負けないぜ』
アウディーも210km/h全開である!
「ヴォン!ヴォン!ヴォン!ヴォン!」
全開アウディーの横を4つの爆音がスルーした。この時、メータで220km/h。(作り話だってバ!)
気が付くと90km先の泉ICへ到着していた。時間にしてわずか35分程度だった。(だから作り話!)
12:00
「ちわ〜」
ICの料金所を出てすぐついに念願の全小隊合流を果たしたのだった。ミッションはコンプリートした。そしてグラマロのミッションは臭かった。皆が皆いっせいに口を開けた。そう107たちはちょっぴりアイスブレイクが必要なのだ。ガバガバとあけられた口をみると、まるで因幡の白兎になった気分である。

こうして眺めるとなんだか生き物のようでかわいいのだ!
ここまで来ると、後は腹いっぱいの牛タンを残すのみである。
なかなかリベンジにしてはスムーズである。
13:30
満腹の大満足状態で皆は駐車場の車談義で盛り上がっていた。これから珈琲を飲んで、お土産買って、ささっとリターンである。この時点ではあまりにスムーズな16hリベンジに悪魔の再来があるとは思っていない。
「帰りには、何かあるよ!(爆)」
オランゲのこんなセリフを笑っていられるのは、今だけだった・・・
第二章 「悪魔の爆走!20000ccカルテット」完
『次回予告』
第三章 「BARホンダ、嗚呼 ファイナルラップの砂糖田熊のように!」 乞うご期待!
なんと・・・不幸にも主役は・・・ 内緒です。

第三章へ
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私の名はバック・ジャウアー・・・ん〜と、ん〜と・・・
全国で7箇所ものグリコのネオンが消灯された
「CO2削減・百万人の環。デンキを消して静かな夜を。キャンペーン」
(く・くるし〜)の前日、私にとって人生でもっとも長い一日が始まる…
16h 第二弾 『16h reloaded』
第二章 「悪魔の爆走!20000ccカルテット」
前回までのあらすじは ・・・っつーか読んでください→16h再発「第一章」
第一弾の16hはコチラ→「16hGO」
吾妻SAに佇む
「魔の20000ccカルテット」
厳密に言うと20600ccである。つまり・・・
大型観光バス2台分。その排気量を用いてたった4人の大人が移動しているのだ。
しかし経済的なことはどうでもいい。
趣味なのだから。
高い税金払っているのだから・・・
わがままだって?!
考えてもみたまえ!高価なβチタンで
400ccの中空構造を製造する時の電力、資源消費を。チタンドライバーを振り回す
人間に言われる筋合いはない(爆)
北部方面隊 Mr.オランゲ
料金所脇には古いMBが・・・
先頭は北部方面隊123師団のスコット!?
牛タン定食
1.5人前である。この厚さ、柔らかさは他店ではなかなか喰えない一品である。
わざわざ食べに行く価値はあるが・・・
ビールと合うので新幹線がお薦め!