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10:30AM
「茄子?高原SA」
パーキングスペースは程よく車でいっぱいであった。そこで大型観光バスのパーキングスペースへ最初に頭を向けたのは後方を走っていたシルバーアローである。グラマロは何が起ったのかわからなかったが
gaga・・・「やっちゃったかも」・・・zattt・・・
という独り言がパッセンジャーシートに放り投げてあったトランシーバーから聞こえた。2台は観光バスのパーキングスペースでもっともレストハウスに近い側に縦に並んで止まった。この時、まだ我々の回りにはバスは無く少し遠くに数台あるだけであった。グラマロは車を飛び降りEzzyに近づいた。しかしEzzyといえば何処でも車を治しちゃう往診の達人である。正直危機感は無かった。
まさか?あれ? 例のACコンプ?んなわけないよね・・・
それ
あ”っ????
ベルト・・・。なんで切れちゃうんだろうなぁ・・・
DENSOでプーリー完全に治してきたのになぁ・・・
中を覗くとズタズタになった元Vベルト君の残骸があった。全体の40%程度しか残っていない。残りはさっきの青い煙と共に空中分解したのであろう。この時は約80km先のSAでMr.ノース(北の107さん)と落ち合う予定時刻まで残り60分ある状況である。ACコンプレッサーのベルトなら最悪OPENで涼しく走ればなんら問題ないと考えた。さらにこの先のヤナセで用意してもらうか仙台で合流予定のMr.オランゲ(みかんさん)に用意してもらい食後に修理というのも1つの手である。一本吸って出発進行!のつもりであったがしかし・・・よく見るとコグベルトが・・・
コンプのベルトが破裂した時に破片が当たりに飛び散り・・・すぐ近くのコグベルトとプーリーがそいつを挟み込んだのであろう、ベルトがすっかり捻転しているのである。つまり・・・コグベルトがひっくり返った状態である。この捻れはベルトに損傷を負わしている可能性は高い。とにかく外してベルトチェックの必要性がある。
さっそくEzzyのトランクから次々と工具が出てきた。グラマロが感心してみていると(他人事)、ボンネットフードに首を突っ込んでいるのは2名だけでない事に気づいた。すぐ横に止まった観光バスから次々とおっさん達が出てきた。
「いや~こりゃすげ~な~・・・なにしてんだべ?」
2人にとってはただの迷惑だったがこれも旧車ノリの還元義務なのだろうからしかたがない。
入場料が取れるくらいギャラリーだらけになったのはシルバーアローだけではない。気がつくと前方のトレイシーにも人だかりが出来ている。財布もETCカードもむき出しのままであった為にあわてて車に戻り財布をポケットに突っ込んだ。ヒトダカリも落ち着きようやく作業に入ったEzzyは、恐ろしく手際よくオルタネータのあたりを緩めてベルトのテンションはあっという間に下がったのだが・・・しかしベルトが外れるほど緩くならないのである。最後の、あと1cm程度が弛まないのだ。
グラマロは、とりあえず北部方面隊ミヤ~ギ駐在のMr.オランゲに打電した。
メーデーメーデー ゲンザイナスコウゲン、ワレワレハ トラブルニミマワレ イチジゴウリュウポイント”アヅマ”ヘハ 12:40トウチャクヨテイ・・・
Mrノースヘ デンゴンヨロシク・・・
Mr.オランゲ、彼は日本に帰化しオランゲ(Orange)「みかん」という和名も持っている。彼は全国チェーンの高級喫茶で有名な「Cafe簗瀬」で珈琲に舌鼓を打っていた。関東方面隊との合流が遅延するという打電をうけ、途中合流する北部方面隊第二師団のMr.ノースへミッションが遅延している旨の連絡をしたばかりだった。・・・溺愛する息子といっしょに。
11:00
プルプルプル・・・オランゲの電話が鳴った。見たことの無い番号だった・・・
「はい、こちらオランゲ・・・な・なに~、更に遅れる!部品は?OK!こちらで用意しておく!」ガチャッ、プープープー
北上する関東方面隊の部品をあらかじめ用意しての合流で事なきを得ようという作戦はいよいよ本格化したのである。すぐさま
「Cafe簗瀬」にて追加オーダーだ。しかし・・・そこには部品が無かった。
このままではミッションがインポッシブルになって、崖をよじ登って、女スパイとムフフな思いをしなければならない・・・Mr.オランゲは困った。そこで北部方面隊第二師団の総帥Mr.ノースへ打電した。
コンナンデ、アンナンデ、ソノヨウナ ブヒンハ ヨウイデキルカ?
・・・リョウカイシタ トウホウデ トニカク マッチスル カノウセイノアル
ブヒンヲ テアタリシダイ ヨウイスル・・・ノース!
レスポンスは良好であった!Mr.オランゲは確信した!これでミッションコンプリートだと。
11:30
Ezzy&Gramaroは茄子SAでボンネントに首を突っ込んで格闘していた。固いボルトを1つずつはずし完全に捻転したオルタネータ・コグベルトのテンションを落としていた。ややあってようやくベルトは外れた。
元に戻せば何とかなりそうである。SA内のGSへいくも代替品が無い事を確認した。落胆の表情であった2人に一筋の光が。打電である。
内容は北部方面隊が部品調達に成功したとの事である!
11:55
捻転したベルトを無理やり元のように取り付けイグニッションを捻った。バヲ~ン!シルバーアローは雄たけびを上げたのであった。このままだとミッションから遅れる事1時間半。
「先を急ごう!」
Ezzyは叫んだ!
「ブ・らじゃ~」
グラマロは答えた。
Ezzy「・・・。」
いつも駄洒落を絶やさないグラマロの余計な配慮が裏目に出た瞬間であった。2人は電光石火の如くSLに飛び乗った!(いや、本当はドアを開けて普通に乗り込んだ)
2台のSLに群がるギャラリーをかき分け、グラマロを先頭に2台が勢い良くランプウェイに飛び込んだ!
レッド~
シルバ~
気分的にはゴレンジャーならぬ二レンジャーである。いや、キョウダインか?そんなことはどっちでもいい!
しかし・・・茄子高原の悪魔はそう簡単に2人を離さなかった・・・あと2時間も軟禁されようとは・・・ダレも想像していなかったに違いない・・・
第二話 完
3話へ続く・・・
私の名はバック・ジャウアー。日本ダービーの前日、
私にとって人生でもっとも長い一日が始まる… 16h 第二話
前回までのあらすじ
・・・っつーか読んでください→
「第一話へGO」
私のポルシェは調子が悪い?今朝は「SL」と勝負したがブッちぎってやったぜ。
オレが散々ぶッちぎってやったから、あきらめたのだろう、急にSAに入っていった。
しかもあの赤いヤローは、申し訳なさそうに「スンマセンでした~」なんて手を上げていやがったぜ!
きっとこんな風に人に語っているに違いない・・・
とりあえず走行可能状態へリカバリー!直後のシルアロ
那須高原SA・・・
事件はここで起った・・
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