序説
ボクは北の大地である男と会った。その男とは中央省庁に潜むスパイである。いきさつは更に二ヶ月さかのぼるが、彼はこう切り出した。
 「東京なんかで飲んでいて、うっかりマスコミにばれたらえらい騒ぎだ・・・」
彼は業務上まったく関連のない二人が会っている事が世間にバレ、正体が明るみになる事を恐れているようである。彼の提案は北の大地出会おうというものであった。僕は彼の指定通りに約束の場所へ向かった。
人目をはばかるように、コートの襟をたてて・・・
 ボクを待ち受けていたのはRIGSというコードネームをもつスパイ。昔、共に学んだといわれる「007」は殺しの免許を持つことで知られている英国のスパイだが、RIGS氏は大型免許をもつグアムのスパイ。
グアムにスパイが必要かどうかは、この際どうでもいいが要するに人目をはばかるように北の大地で密会したわけである。その会談はあくまで人目を避けるために「すすき野」のカラオケスナックで深夜1:30までドンチャン騒ぎという形で厳かに行われた。
 「・・・でだ、グラちゃん」
RIGS氏は、迫真の演技で泥酔サラリーマンを装いながら、こう切り出した。
 「おやっさんの送別ツ〜なんだけどさ〜アンコウでも喰いに行かない?」
素人には判りにくいと思うが、これはスパイ暗号である。このシンプルなセリフには・・・

「そろそろ札幌の寒さも堪えてきちゃったから、来月東京戻るんでツーリング行こうよ。でね、オヤッサンが転勤とか言っていたから丁度そいつにかこつけて、一泊でさ、パーっと行こう!パーっと。でね、札幌で食った鮟鱇がメチャメチャ上手くてさ、茨城の北のほう行けばまだ寒いから上手いの喰えるよね?そうしよ〜よ〜」

と、このような実に深い意味が隠されていたのだ。さて、皆さん、前置きが長くてスンマソ〜ン。
行って来ました鮟鱇なべ送別ツーリング、第一弾(来年、二弾もあるよ)北茨城鮟鱇の旅・・・
ラ・ツール・ド・アンジェール!(ホントかよ?)

2月29日 朝9:00、予定通り守屋に集合したのは4台。前出のRIGS氏とダイナマイトマフラーで以前レポートしたTORO氏。*主役のOYAJIさんと、その後輩「よこちん」さん。そしてグラマロも予定通り・・・やっぱ遅刻である。ほぼ予定通り9:30分、一気に常磐を北上なのである。しかしココはひとつ天候も良いので、いったん常磐道をおり一路内陸の目的地『袋田の滝』を目指す。ここはよくわからないが、とにかく幅広の大陸的な滝である。峠の茶屋的情緒たっぷりのココは妻籠宿を彷彿とさせるかなりジャペ〜ン・クラシック。三笠宮殿下も訪れたこの由緒正しい観光地、暖かい午後の昼下がりを泥酔の観光客と共に過ごす。それにしても必ずいる醜悪な泥酔観光客。なぜだか皆、格子柄のジャケットに茶色く色づいたサングラス風老眼鏡をかけている。悲しいかなこればかりは日本人の典型と認めざるを得ない。ヨーロッパではまずお目にかかれないしアメリカは、いてもつまみ出される。でもまあ・・・入場料の300円以上は楽しませてもらったかな?酔っ払いに。
さて、ココを後にした一行は一路、峠のお楽しみTIMEに入る。
しかし入り込んだ3桁国道は今もって「凍結注意」の難関。日の当たる山間はタイトコーナーの連続でウヒャウヒャに楽しいが、木立の深い日陰に入るとウヒャウヒャがヒヤヒヤに変化する。写真を撮る暇もなく走り続けた3桁国道アンド2桁県道。これはたいそうなアドベンチャーであった。
夕刻、*目的地の宿に到着。事前にあった情報はHPである程度Getしていたので別段感動する理由はないのだが・・・この後、予想外の内容に一同、ビビルのだ。
また、広大な駐車スペースは砂利なのでサイドスタンドでは立たないのだが、ここの大将、心得たものであり、そそくさとレンガを持ってきてくれた。これで一安心である。

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寒い・・・茨城近辺でかなり内陸に入ったが、路面凍結注意の文字。一部ルートで福島県をもかすめ極寒3桁国道を堪能!







  *主役のOYAJIさんのHP
 は、何故か女性に大人気。


 *袋田の滝

 森林の中を散歩する、一見し て健康的なシーンだが、この時の会話の内容はかなりアダルトである(自爆)。



 *目的の宿

この時は、まだ普通の宿だと思っていた。この夜の宴席に繰り広げられるファンタジーをこの時はまだ誰も想像していない。