欧米に見るトイレの摩訶不思議
文:喜多川 グラマロ
突然のタイトル・・・意味不明の方は、エッセイ9を参照すべし。さて、シェラトンホテルの巨大フロアにあるたった一つの便所であるが、ランチタイムの後のトイレは想像に反しナントガラガラであった。日本であればさながら行列のできる人気店の状態になっているはずである。しかし、ガラガラなのである。
ボクのトイレタイム約60秒の間に利用者はボク以外に2名だけ。みな膀胱がデカイのか?
大きなデパートでも同様である。空港でも、ターミナルでも・・・トイレが混雑するシーンに出くわしたことがない。何故なんだろう???
実は何の考察もないままに帰国してしまったが為になんの考察もない。未だに謎のままである。
ここで終わってしまったのではエッセイにならないので一つ。
ボクの愛車ミカリンはハーレーダビッドソン。883Rというとっても乗りやすいバイクであるが、極普通の形をしている。一般にはツーリングモデルと呼ばれるものがあって何が違うかというとカウルなる物がついている。小さな窓のような、丁度メーターを隠すような風防である。したがって極普通の形のハーレーにはこの風防がついていないのである。
「風防」
というくらいだから風を防いでくれるわけだが、高速道路でこのカウル(風防)は大いに役立つ。出してはイケナイ速度にだってちゃんと対応してくれるし、もちろん一般的な速度域でも十分に効果的である。写真は以前に乗っていたバイクを正面から見たものだが、前投影で見ても腹部はすっかり隠れている。実際は気流が発生するためにヘルメットの半分までの高さは無風状態になるのである。
よくバイクに乗るファッションとして首や膝にバンダナを巻いている人を見かける。なんだか変だと思うだろうが、実はこれ防寒の意味がデカイのである。写真にあるようにカウルがついていると膝も首も風が当たることがなく快適に移動できる。
しかし、ボクの場合はもっと重要なファクターがあるのでご紹介したい。腹部に風が当たるとあっという間に「冷える」→「つめたい」→「ギュルギュル・・・」→「腹痛え〜」→「トイレ」→「ツーリングの移動に障害」という図式である。これを「カウルなしだとウンコしたくなっちゃうもん!」の公式という。風を「f」とし、風防係数「a」、ウンチョス指数「U」を表すと、式は以下のようになる。
U=100−(a/f)
素人方がわかりやすいように、ここには速度や気温といった不確定なファクターは除かれているが、「U」は気温と一次相関が認められ、速度の二乗に比例するということだけお伝えしよう。
早い話が、カウルのないバイク、つまり風防係数「a」が0であれば「U」は100になっちゃうのである。(我ながら馬鹿馬鹿しくて悲しくなってくるが・・・)
では、ハーレーにカウルを付けたらどうか?という極当たり前の発想が生まれてくるが、883Rにカウルをつけると「あまりカッチョヨクないの」となってしまう。
これから冬に向けてカウル付きの暖房付き(カワサキの事)が恋しくなってくるのは僕の場合、至極当たり前の事なのである。そういえばスポスタは人気で人気で完売!どこへ行ってもスポスタだらけである。アンチ・ポピュラー、アンチ・マジョリティストのグラマロ君はいったい何を考えているのか。
一方で消えゆくバイクもある。そんなバイクに心惹かれる気持ちもご理解いただけるだろうか?