ZX-12R  

「世界最速」・・・まったく縁の無いモノ。つまり車でいうところのスカイラインGT-Rだろうか?198*年、いつもの様にバイトに行くと、見なれない顔。彼は同い年の新入りだった。「はやく仲間に入れなくては・・・」そんな思いから仕事帰りの深夜のロッカーには二人の大学生1年生。この時まさにレプリカブームが上陸を開始せんとしていた時期、彼はおもむろにロッカーからヘルメットを出し、革のツナギを着た。もう全身yamaha状態であった。あれでホンダに乗っていたらひっくり返るだろうくらいYAMAHA状態だった。TVに出てくるレーサーのイデタチ。突然目の当たりにしたあの驚きは今でも良く覚えている。赤のRZ350RRはモーターボートのようなエンジン音で颯爽と走りさった。翌月、ボクはブルーのRZ250RRオーナーになっていた。初めての借金は今でも思い出したくない程辛いものだったが現在、10代目の愛車で12Rに至る。5万円の「マッチのマーチ」からBMW525に至るまでが七代の世代交代だった事を思うと2輪は趣味性が高い分、ずいぶん遠回りした事になる。さて、12Rはノーマルで十分過ぎるスペックである。気持ちがイイのは高速を走っている時の瞬間移動である。それでいて6速の1800回転からしっかり加速する。びっくりデある。2000 ZX-12R シルバーのマレーシア仕様・・・そいつはさながら犬好きがついには狼の飼育に手をつけた。そんな感じである。ちなみに面白い知人がいる。学歴・職歴から察するに恐らく日本で3番目くらいにマケズギライな自由人。なぜ3番目かというとさすがに日本中探せば彼より上が一人や二人いるだろうという統計概念のおそろしく欠落した私なりの解釈である。ここではI氏としておこう。WEBの世界では特定の車種においてかなり有名な男。I氏に12R契約5分後、一番でTEL報告したところ彼はその2時間後に12Rオーナーになった。あの行動力は・・・いや「行動力」という表現は適当ではない。http//:www.bunbun.comを参照されたし。

ブルーフレーム

 

雑誌で見た。これイギリスのタイソウ御立派なメーカーだそうだ。惹かれた。買った。大型チェーン店の2Fで時間をつぶしていた。床から空ぶかし爆音が足に伝わった。急いでPitを覗いてみる。ごそごそスタッフが相談していた。・・・これ、ハッキリいってウルサイ!ノーマルは処分してもらったし、もらっても邪魔なだけなので車検は考えない事に。幸運にも私の家は坂道の途中。出発は坂道を下って200m離れてから「バワン!ボッボッグワワワワボボボボボボ!」さらに200m転がすと決まって赤信号(爆)。246に入る頃には(といっても2.3分だが・・・)すっかり水温も上がりついでにファンが回っている(爆)。帰宅は坂上から。坂の頂上でキルスイッチ。Nに入れてコロコロ駐車場まで。女房は未だエンジン音を聞いたことがない。カッチョよい音で気に入ってはいるものの・・・サイレンサー(消音器)というよりはアンプ(拡声器)?に近いのだ。住宅街に住む方、平坦な場所には絶好の迷惑マフラーだ。ちなみに下のトルクはややUPしているようでエンストは無くなった。慣れたのかもしれないが。アイドリングも1300rpm以上なら安定。それ以上絞ると(1000〜1200)ややうねる。結局・・・いいじゃん!である。
ノーマル時、後軸で166ps。現在は170psに少し足りない所だ。ここへきてアイドリングが安定してきた。1000回転(rpm)でもウネリが無い。外気温とOILなどの影響をかなり繊細に反映するエンジンであり今後が楽しみである。     89000円也

フェンダーレス・・・キット?

 

12Rはフェンダーレス仕様にする事で200というブットいタイヤが丸出しになりこれまたカッチョ良いくて○(=^^=)/
不精者の私は考えた。キットをつけるのはメンドクサイなあ・・・付けてもらうにせよバイク屋のPit待ちである。ん〜。キッチンにちょっと大き目のハサミがあるので大まかに切ってからヤスリで整えるっちゅう〜のはどうだろう!我ながら名案!早速、先っちょを「チョキッ」。あれ?チョキチョキチョキチョキ。ここはRをつけてもう少しきれいにチョキチョキチョキ・・・・。
ん?60秒で出来上がってしまった(爆)。ほとんど画用紙の世界である。
ん〜上出来上出来(^^)なんたってダーターである。反射板は上についてるし。車検もOK!20000円得した気分である。ついでに安もののナンバープレートステイを購入。2000円程度であり、ありがちな「公道での使用は禁止」ですと(笑)!そんな記載がある。

バックステップ

 

コシの無いノーマルのステップ感触を改善したかった。ヤフオクにてGet! 
なんとも安かった。強引な解釈だが、自作フェンダーレスで20000円「ウイタ」と仮定すると、このB/Sはファミレスの食事代くらいの値段ということになる。カーボンの板がカコヨイ!がっしりした感触!滑らない。これOVERのバックステップ也。定価50000円也(シール付)。大満足である。

走り・・・その1(ハードボイルド編)

 

高速の料金所でオッサンがしかめ面で渡してくれた通行券。「ありがとう」といったところでこの爆音下では彼の耳には届いていまい。
冷えた路面でスリップダウンしないように慎重にアクセルを開きながらランプを駆け上がってゆく。5速2000rpmで55キロ/hといったところか。本線合流時点でマジカルのブルーミラーに後方車はいない。少しだけ・・・角度にして15度程度だろうか。それはほとんど「開けた」というより「開側に力を込めた」という程度。法廷速度は12Rにとって公園の散歩といった程度か。
「開側に力を込めてみる」
散歩からジョギング程度に・・・それは静かに、スキップするかのように滑らかに加速する。
スピードメーターは左下の0kmから、やっと水平に。しかし、そこから先はもう日本国内では許されない領域なのだ・・・。        マジカルミラー 7800円也

走り・・・その弐(ぶっちゃけ編)

 

スピードを示す針はこのとき○○km/hなんだけども、タコはというとなんと!おいしいトルクの山の麓なんだなこれが(爆)!まだまだ序の口なのよ。そんでもってピッと小開けしてやるとガバ=っと加速する。車体がビビンと安定してくるとそこは・・・え?と言う速度域になっている。なんじゃコリャ?!でビビリながら6速でガバ開けすると・・・コンマ008秒おいてドガーと加速して脳が後ろに・・・これはやばいぜ!と言う速度域に。こんな力要らないです。
はい。
現在、高いギアで10000まで回すのが夢(チーセー)です。困った事に峠では扱いにくい。つまり一速で充分な回転を与えてやらないとエンジンが死にそうになる。しかし一速では1mmのアクセルでドキュン・バキュンとぎくしゃくする。うっかりのんびり走っていると、ヘアピンはほとんどハンクラで走らなければならない。「全くも〜」なバイク。

走り・・・調教編

 

さて、調教というと「坂路馬なり」とか「ダートいっぱい」、さて来週は「追い切り」だ!とかいう様相を想像しますが、今回はハッキリいって「マイルドにする!」これだけ。
で、どうするかと言うと・・・アクセルのワイヤーにロースロ・・・なんて話しではない。「簡単!マイナスドライバーで1分!」
まずはリアサスの減衰アジャスターを圧・伸側ともに左一杯に。つまりサスの上と下にある−の穴にドライバー突っ込んでクリクリッと柔らかくする。するとどうでしょう〜。あっという間にセルフステアの効いた曲がり易くてペタンと寝て、ガバっと起き上がる峠マシンに変身!しかもアクセルに対するレスポンスがスポイルされて「ちょい開け!=ドガっと加速!」から「ちょび開け!=スル〜」ぐらいになる。つまりトラが西表ヤマネコぐらいになる。
よしよし。手から餌食ったぞ!ってなカンジ!  0円也

12Rのポジションランプ

 

本日は…調教後の仕上がりを確認するべく湾岸ダイナマイトツアー+TANAXのマルチリモコンアラームの取りつけ+ポジションランプの変更を行った。もともと年末は盗難事件が増えるのでアラームをつけたいと思っていたところであったが、プロの窃盗団には、歯が立たないので決定力に欠けていた。しかし少なくともプロではない窃盗団からは身を守る事が出来そうだ。マンションの駐車場とはいっても、全ての部屋のベランダから丸見えの位置でキュ〜キュ〜と200dbでなれば誰か気づくだろうし手も出しにくいだろう。クレーンも入れないところなのでとりあえず安心してベッドに入ることが出来る。満足である!ブルーのポジションランプはLED!照射もフォーカスが効いている。ドンキホーテで1000円払えば3分後には雰囲気が変えられるお手軽お遊びだ。ライダー自信には、わからないのがよろし! LED980円也  アラーム19800円

リアフェンダー

 

このバイクでコンビニに買い物に行くつもりなどさらさらなくスペシャルな高速ぶっ飛ばしマシンを装うつもりであったがなにせセカンドバイクが無い今、何でもこなすヘビーローテーションになった。もっともローテーションの対象は車・電車しかないが・・・
12Rには200mmという自動車並のリアタイアがついている。ここへきてあまり雑にクラッチをつなぐと恐ろしく空転するのでちょっとグリップのいいヤツをチョイスした。タイヤはまだまだ大丈夫と思っていたが、やはり大排気量車は特に重要な構成要素になってくる。偶然にもレース用コンパウンドの決勝用(爆)という物らしいが、そのグリップ力は対磨耗性とは反比例に優れものである。…でその現在、190mmになったリアタイアだが雨水を恐ろしく撥ね上げるのだ。脹脛(ふくらはぎ)の裏までびしょびしょになる。そこでリアフェンダーの登場だ。一般的に人気のマジカルを選択。理由は在庫があったから。今は快適な雨の日ツーリングを楽しんでいる…と言いたいところだが雨の日が快適なわけがない。カーボンで覆われたそれは少しだけカッチョ良い事とリアサスの汚れ防止に一役かっているというわけだ。メーカーの言う「空気の整流効果」に関しては言うまでもないが、全く体感できない(^^;   マジカルカーボンリアフェンダー28000円也  ピレリSC2 F&R 50000円也

 握る・・・

 

さて、英語で言う「ハンドル」米語でいうと「ステアリング」。どちらでも良いが要は、シートやステップと共にライダーが接触するところだが特に「握る」ということは積極的に接触する場所なわけである。上司と部下、男と女、握ったり握られたりすると言う事はそりゃあもう大変な関係にあるということだ。そんな所をいじってみたくなるのは当然である。より良い握りの環境は握りごこちと位置で決まる。今回は位置を変えてみた。自宅から50kmも離れた噂のスーパー調教師を尋ねた。近くのバイク屋さんでキットが売っていたがここは一つ奮発である。色だけは素人の好みでオーダーしパーツの選択はもう「お任せで」といったところ。朝から夕刻までプロの仕事を目の前にタバコをすいつつコーヒーを飲みつつ、ラーメンを食べつつ・・・4時間程ですっかりデキアガリである。かなり細かな作業で、ストッパーなども増設。しかもグラインダーでミリ単位の調整までしていただき、ほとんど職人技の連発であった。着々とマシンがお好みに仕上がっていく様は感動モノである(^^)   工賃込みで84000也。大大満足である!      

2003年4月現在・・・パーツ代は先日交換したバッテリーを含め34万6千円也。・・・ゲロ (- -;

 

 

迷い・・・

 

告白しよう。12Rは最速だと思っていた。だれにも負けないと思っていた。高速道路ではそうかもしれないが、あまりにタイトな峠道でオフロードにつつかれた。2速ではエンストしそうになるが1速ではパーシャルを保つのが困難な状況である。常時80km/h以上を維持できないような極めてタイトな峠道ではごギクシャクしてしまい。正直いって半クラで旋回していた。高速道路では無敵の12Rも細かなコーナーでは気持ちよく回れないのだ。ターンパイクのような、ホッケンハイムのような、そんなステージでなければ楽しくないのだ。悔しかった。

ボクは12Rを嫁に出すことに決めた。バイク雑誌のインプレで読んだことがある国際A級ライダーのこんなコメントが頭をよぎった・・・「ごめんなさい。ボクには無理です。もしこれを手に入れたことを考えてみても、こいつに跨ってボクはいったいどこに行くのだろう?どこに向かって走ればいいのだろう・・・」というものである。さすがにA級ライダーは1時間の試乗で感じ取るのかもしれないが、僕は所有満足感や優越感でそんなことは感じなかった。ここへきてそれが感じられるとは、逆に乗れてきた証拠なのかもしれない。なにしろ世界最速クラスのバイクだ。オリンピック級の眼と瞬発力と筋力、バランス感覚を持っていない僕には、「過ぎたバイク」だった。力を使いきれていない。これは僕にとって苦痛かもしれない。