左にならんでいるのは、G・アルマーニと思われるシャツである。「思われる」というのは、色違いで3着所有しているが、うち二着は明らかにB級品ということで非常に安価で購入したからだ。ひょっともすると偽物かもしれないが、正規品の本物と全く変わらないようであり十分に満足である。やはり襟元の形はアルマーニ独特の形状でこれは80年代から変わっていないと僕は思う。襟のラインは他に無い美しいものだ。
シャツへのこだわり・・・
「アルマーニのシャツは、襟元が美しい。」ファッション雑誌を読めば石ころのように書かれているフレーズ。雑誌に躍らされている様で恥ずかしいのだが、確かにボクもそう思う。3着とも既に8〜13年も経過しているのでボロボロなのだが、襟の美しいラインは崩れないので重宝している。
「いやいやアルマーニなんて・・・」とおっしゃる方々はバグッダやパンチなど「イタリア超高級シャツ屋さん」のものがツウっぽくて良いかもしれないがボクチャンは一般ピーポー。一枚¥30000〜¥50000なんていうシャツを語るつもりはございやせ〜ん。...というよりは年収が1千万円程度の日本のサラリーマン達が、そういうシャツを着るのは愚かとは言わないがイタリア人からみると不思議この上ないだろう。ボクチャンのシャツは10000円!ハッキリ言って少し高いが1900円のシャツを今まで何着無駄にしてきた事を思うとこの方がいいのである。1980円シャツを買わなくなって5年くらい経過するが、これから5年は買い増しの必要は無いだろう。「安物買いの銭失い」とは毎日世話になるモノにこそ適応される言葉であるのだ。
現在のもっともお気に入りは右にある「ブルックス・ブラザース」のノーアイロンシャツである。ボックスシルエットで襟元も野暮ったい感じはするがUSAの老舗であるこのブランドイメージにボクはめっぽう弱いのだ。腕から袖への絞り込みもプリーツが一箇所に集中していてチョト〜ダケ・カチョヨイという感じが好きなのである。最初にノーアイロンと聞いたときに「ブルックスお前もか・・・」と思ったが、触ってビックリ!良い感じなのである。しかも洗濯機で洗ったあとに何故こんなにも折り目がバリッと付いているのだ!?と感激した記憶がある。ビジネスマンには超お勧めのアイテムである。
造りへのこだわり・・・
いまさら襟の形だとかボタンホール、クロスステッチボタンやカフスについて語るつもりはナイのである。じゃあ造りに対するこだわりとは?実はシャツの良し悪しは、デザインよりも造りが判断材料として優先されるべきと思っている。ではどんな部分で判断するのだろう?ボタンの数や素材には作り手のコダワリがあって実は判断しにくい部分である。例えば、生地が薄い・厚いに絶対的優劣は無いし、ボタンの数だって形状だって優劣はつかない。しかし・・・一箇所だけ素人でも判断できる絶対的に優劣のつく部分があるのだ。
袖口は複雑
袖口は、とても複雑な事になっている。今、シャツを着用している方は下記の要領で見ていただきたい。
@左の袖を前方へ突き出す。
A袖のボタンを外す。(ネクタイをしている方はここで指2本分緩めてください)
B右手で左袖口をクルッと折り返してそのままめくり上げて下さい・・・
この時点で皆さんは袖口のボタン(通常2個)が付いている「袷」(アワセ)の裏側が剣の形になっているのに気づくはずです。左の写真(青いシャツ)お分かりになるだろうか?生地の断片が露呈してる部分である。いいシャツは生地の断片は全て織り込まれてから縫い込まれているので、お目にかかることは無いはずのである。左の写真は明らかに生地の切断辺が露出している。下にある赤いシャツはラルフローレン。当然ながら、剣先は袋状に縫い込まれているので、切断辺は見えないのである。ブルックスはもちろん、アルマーニ、トラサルディー、なんとユニクロまでつくりは良好なのである。特にユニクロは驚いた!素人にも判るほど生地は完全に安物でしなやかさは無い。しかし、縫製に関しては一級品である。ここにはユニクロもこだわったのではないかと思われる。ちなみに上のブルーのBDシャツはJ・PRESS。昔はブルックスと並び高級な憧れのブランドであったが、すっかりコダワリが影を潜めてしまったようだ。トラッドの匂いがすっかり薄くなり大衆化してしまったばかりか造りも手抜きである。J・CRE○、SHIP○など、このてのメーカーは日本企業らしくコストダウンがハッキリと品質低下に結びついてしまい、残念である。どうも「コストダウン」を「
クオリティーダウン」と勘違いしているみたいである。
お気に入り・・・
最近のお気に入りは前出のブルックス、ノーアイロンである。出張の多いボクには最高のシャツであること間違いない。自宅の洗濯機でもまるでクリーニングの風合いになるし、ノーアイロンシャツにありがちなペラペラ感もない。では大切なシャツは?ということになると話は別である。これは(写真:右)1999年、「フォープレー」というニューヨーク系のミュージシャンが集まったユニットが来日したときにいただいた「ネイザン・イースト」のサインである。スポーツでたとえると「殿堂入り」の大リーガーだけでナインを構成したようなチームのキャッチャーといったところか(?)とにかく凄いのである。3日連続で通ってステージの脇で直接もらったサインである。一生の宝にしたい。
今後の夢・・・
憧れのシャツがある。それは厳密に言うとシャツではなく生地である。シーアイランドコットン・・・
日本語で「海島綿」と呼ばれるものである。生産量は極少量で、綿全体を5Kg入りの「お米」にたとえると海島綿は米粒1つ以下である。希少で栽培が難しく、高級な肌触りをもった幻の生地である。取り扱えるメーカーから海島綿を原料にすることができる商品アイテムまで規制されているというから驚きだ!ここまでくると、さながら麻薬のようであるが・・・。