最初の印象

数年前,赤男爵で見かけた96年型シルバー(90万円)が最初。
「これか・・・復活したボクサーの新型って・・・なんじゃこりゃ
?メッチャかっちょワリ〜」

選択の経緯

そんな経歴を持つボクが,何故今回R1100ロードスターを選んだのか?それは周りのボクサー乗りからの助言とジッタさんの・・・
「な〜んか買っちゃえばぁ〜?
というカル〜いセリフである。昨年
R1200CLの試乗に行った時の好印象が引きずっていた事もあるが、インパクトではコチラの方が上!ということで狙いを定めてワルキューレ(フラット6)を買い行った。・・・はずなのだがボクサー(フラットTwin)にしてしまった。
BMWといえば正直
,RTに興味があった。しかしスポスタ(883R)の時の気軽さがほしくなったことは事実である。
大パワーのスーパースポーツ系はチョイ乗りには少々気が重くなってきたのである(これってヤバい
?)。

さて,R1100RはRTのノンカウルversion・・・と思ってたのだが,全〜然〜違うのであった。
(っつーか知らなかったのはオイラだけ?)
BMW愛好者には常識かもしれないが純カワサキ派のボクにとって、Roadsterがオフローダーのシャシーの上に成り立っているなんて寝耳に水だったのである。

R100時代からRSとRTのノンカウルversionは「トラッド」
,もしくは「何も付かない」となっている。一方でBMWにはG/S,もしくはGSというオフロードモデルがあるが,そのシャシーに小径の前輪を履かせたマルチパーパスがRつまりRoadSterなのである。
よく考えるとRoadSterという名前もかなりサバイヴァルチックである。ハーレーのところでも言ったが−Sterは「★」ではない。
それはStarである。
HDのスポーツスターは「スポーツの★ではなく」日本語でいう「スポーツマン」に充当することは以前にも述べた。ちなみに英語の「スポーツマン(Sportsman)」とは英国貴族などで「ハンティング」
,「乗馬」,「フィッシング」を嗜む人の事をさし、アメリカではそれをスポーツスターと呼ぶわけである。

閑話休題・・・で?

RoadSterということは「路上の人」という意味合いになる。これは高速をぶっ飛ばすでも,峠で膝擦るでもなく「普通に人の居住地にある道を走る」ということである。GSが「道無き道を邁進する」というコンセプトに対して、コチラは日常を示す「R」なのである。
GT-Rなどについている「R」とは、全く意味合いが違うから面白い。

乗った感想(納車時)

操作はK100RSと全く同じ。迷う事など全然ないあたりBenzとBMWは思想が似ている。エンジンスタート!・・・(^^;

「ポロリン,ポロリン,ポロロリン・・・」うげっ!このアイドリングはGSと全く同じだ〜。
ちなみに2年前に「GSアドベンチャー」を○田ホンダにて試乗したとき
,この音にすっかりイヤになった事を思い出した。
そして、GSと同じシャシーなのでは?と疑問を持ったのもこの時である(おせ〜よ)。

(っつーか買う前にエンジンくらいかけろ!)この音はなんだろう・・・
ずっと子供の頃に乗った・・・そう
,バアさん家の仕事用550cc2スト軽トラの音に近い。
跨った状態でセンターをおろした。
ブリッピングするとエンジンの回転マスの影響で右に傾くというので、どれほどのものかグイッと煽る!

「ポロポロ・・・ショロロ〜ン」もう気絶するほどカッコワリィ〜。これではまるで『ちび○子ちゃん』に出てきそうなバイクだ。
思わず周りを確認した程の音質である。横を走り抜けるアドレス
V100の方がずっと男らしい図太いエンジン音である。

しかし、走り出すとその印象は全く変わる!わけがなく・・・ヤパ〜リ「ポロポロ」と走る。
ただハーレーのようなトルクの出方でXL883R似たフィーリングであることは確かである。もっとも
シャシーはマタ〜ク別物で頑丈そのもの。フラットツインに共有の抵抗感のないバンクが気持ち良いし,アクセルあけても車体が立ってこない。
低速の峠はメチャメチャ楽しいとおもわれ
,さっそく地元の原チャリ小僧のメッカ「Cherry」と呼ばれる峠道にお邪魔したのである。
原チャとリッターバイクの
Battleはなかなか壮絶であった(爆)。・・・また行こう(ウキウキ)。

それはさておき超低速コーナーの連続でもあの巨体を右に左に切り返しながら走る醍醐味は他のバイクにはない魅力である。
ちょっぴりテレレバーサスのファンになってしまった事を告白しよう。
それは、通常峠では前後のブレーキを駆使し前後のサスをバランスよく沈み込ませフルバンクへ突入するものである。つまりピッチングモーメントをいかに少なくするかが、スムーズなロールへの花道なのである。これはおおよそ峠を走るライダーなら異論はないだろう。もっともサーキットでコンマ秒を狙うならシャシー剛性にかまけて「フロント・ガツン100%」もありだが・・・。BMWは前も後ろもガツンとかければピッチなくビタ〜ッと制動がかかりフルバンク状態にまでスムーズに入っていける安定性を持っている。
天気は良かったのだが気温は3度くらい。日陰に濡れた部分を見つけバンクしたまま突入したがズリ〜っと(でもユックリ)きたので
,そのままリアを踏んでみた。

「コンコンコンココココ・・・」

とキックバックが来る。ABSはなかなかの優れもので挙動を乱すことなく立ちあがった。K100のABSとはどの程度違いがあるのかわからないが,少なくともK100の接地感では,こんな状態まで持ち込む事ができないのであった。

「スンゲ〜ッ」

完全にビビったワリには、意外にすんなりクリアなのである。この時はフラットの大先輩「ぶんぶん氏」の明言が脳裏に浮かんだ。

GSは3台目なんだけどぉ〜 これってコケる気がしないのね。 ・・・だからコケるの。」

彼はかつてGSで氷点下の高速コーナーを攻め,潔く散った事があるのだが神様の気まぐれで生還した。これはその暴挙の理由を聞いた時のぶんぶん氏のセリフ(言い訳?)である。
すっかり遊びほうけて帰宅がちょっと遅くなってしまったが、ここまでの「R」の印象は「Kとは比較にならない程良い!」という感想だった。雪が舞ってきたので、休憩中のバイク店から急いで帰路についたのだが・・・さ、寒い。
K100RSは体全体が
高速道路風圧対策として誂え(アツラエ)られているカウルに完全に保護されていただけに冷風を感じさせなかった。Rは小ぶりなカウルなので手から胸元から足までガンガンに冷えてくる。さらに膝が痛いほど冷たい。
昨日までこんな事は無かったのでK100RSのカウルの凄さをそのときになって思い知らされた訳である。

3084km

BMW R1100 Roadster
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2ヶ月3000kmを走って

この走行ペースはボクにとってかなりのハイペースである。歴代のバイクの中でも最高峰かもしれない。
90年代、自動車にて広範囲を営業した頃に一時期バイクから離れた時期がある。
「離れた」といっても全く乗らなかったわけでなく乗る機会がほとんど無く経済的に楽な
XV250が手元にはあったが。

なぜXV250の事が急にでてきたかというと、R1100Rの「手軽」なライディングがあのバイクを思い出させたからなのだ。

「手軽」なライディング

手軽といっても立派にリッターバイクというかビッグバイクのカテゴリーに入るかもしれないが、この手軽さは、いままでのZX-12R、900ニンジャ、883RK100と比較した場合であ〜る。

私見ではあるが手軽さの順番をつけるとR1100R>883R>900ニンジャ>K100>12Rという極あたりめぇ〜の事になる。この順序は奇しくも正直足つきの順序と同じになっちゃうかもしれないけど実はそうじゃない。ライディングポジションなのである。

先日、ツーリングの仲間から「後ろから見るとアメリカンにでも乗ってるのか?と思った」と言われた。なんたって乗っているホンニンが思っているのだからそう見えるに決まっているのだ(^^)

左右の振り回し

恐ろしく張り出しエンジンヘッドにヘプコ&バッカーのエンジンガードが装着されかな〜り幅広なバイクである。ぶつからないとは解っていても、縁石に近づくことを許さないオーラを発する幅である。デカイヘッドの更に外側にあるクロームメッキのガードがライダーの視線から完全に縁石を隠し、更に「オラオラ〜気をつけないとぶつかって跳ね返るぞ〜」とヘッド下側の張り出したバーが脅しをかけてくるのだ。というわけですり抜けは精神衛生上、不衛生極まりない。

一方で中速(80〜100
km前後)ワインディングを走っている時のヒラヒラ感といったらママレモンで洗った手を更にミューズで洗ってアルコール消毒した後に煮沸滅菌したくらい衛生的で気持ちが良い。テレレバーの車体は皆そうだが「寝かしこみ」という表現が当てはまらないフィーリングである。バンクは当然ながら設置しているタイヤを軸に寝るのだが、感覚的には丁度お尻の下辺りに回転軸があるような感覚である。つまり寝かしこみの初動に「キッカケ」も「引っ掛かり」もなく無抵抗にペロ〜ンっつー感じでバンクする。むしろ起こす時にキッカケを要するような・・・黙っているとオーバーステアになってしまう感さえある。バイクのオーバーステアといったらリアが滑るかフロントが切れ込むしかないと思っていたがこのバイクはペロ〜ンとバンクしたままその位置でもバランスしている為に勢い曲がりすぎるのである。もっともリアタイヤも固くなっちゃって良く滑るがその滑り方も頑張って限界を超えたときに突然来るのではなくなんとなくツッーと滑る。パニックに陥らない滑り方なだけに冷静にしていると滑り量が意外に大きいのでかなり恐い。これはタイヤに起因するのかもしれないが、仮に良いタイヤを履いたとすると今度はエンジンヘッドが地面にあたりそうで恐い程バンクするだろう。
また個人的にはアメリカンというかオフ車チックなポジションがもたらす恩恵で、ハンドルバーへの荷重が軽減できるので腰下で綺麗に旋回することが出来るためなのかもしれない。

所有満足感

腐ってもハーレー・・・と言うかどうかは知らないが、ボロっちくてもハーレーは雰囲気がある。
一方で
BMWRTST、はたまたGSくらい個性が強調できる形状ならいいのだがRoadsterはただのオッサン・バイクに成り下がるのでいつも綺麗にしなければならない。綺麗にすると張り出したエンジンがとても強調されなにやらドデカイ雰囲気が出る。

パーキングエリアでは
「大きいね〜これ何CC?」

みたいのは日常的。いままでのバイクではあまり言われた事が無いので意外ではあるが所有満足感という意味では必要十分な見栄を張れる印象だ。

BMWには、どうも詰襟に・・・
しっかりとプラスチックのカラーをはめ込んで白い靴下を履いている屁理屈こきの中学生姿を連想させるものがある。
逆にハーレーは、ボタンなんかしない茶髪野郎で、ちょっと短めの学生服の下にアロハシャツ、程よくテーパーした長目の学生ズボンにコンバースのかかとを踏んでタバコ吸っている高校生の雰囲気があると思う。

高速道路の移動など機能的な部分で判断するとBMWは優れた道具であるが、個人的にはすっかり物が分かったようにすましてBMW乗るよりも、実はすべてがアバウトでアメリカ〜ンなハーレーの方がカッチョ良いとは思っている。
ボクが頑なに星条旗付きのバンソンのジャケット+シンプソンの皮パン+
Bellのヘルメットという『完璧にアメリカ製バイク乗ってますぅ〜』というイデタチでBMWに乗っているのは、あえて校則を破る高校生の感覚に近い『くだらないコダワリ』なのかもしれない。

エボリューション&メンテナンス

まず手を付けたのがマフラーである。何度も言うが最初はある意味「気絶するほど悩ましい」音であったが現在はレオビンでバッチリ単気筒のオフ車的破裂音が奏でている。排気系にはO2センサーが付いているがロットで本国に確認した結果2000年の9月出荷(10月から要キャタ)である。したがってキャタライザー無し仕様の最終なのであるラッキー!

現在はフロントオイルシールがダメになったので入院中(5月16日現在)である。また手元にはバキュームゲージが2丁あるが設置場所が決められないでいる。本当はオーモリのDual-Vacuumがほしかったのだが現在は製造中止&在庫無しだそうだ。
しかしこれで常時同調を確認できるし、アクセルの開けすぎに対する抑止力になることも期待できる。
懸案の中間バルブは良い物(金魚用水槽グッズ)を流用できそうだ。

オイルはセンタースタンドがある事とボクの車と違ってそんなに神経質にならずにすむので、安売りOILを自分で購入し交換している。そのため経済的にもかなり安くすんでいる。

ヘッドが両側にあるため簡単に開けることができる。タペット調整も簡単でかつ経済的であ〜る。隙間ゲージは2個あると便利!
そのうちコーラの空き缶でブローバイガスのオイルキャッチでも作ってみたいものである。
Evoのテーマは、ずばり・・・「破天荒」

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