Peugeot 505
スカイラインの一代目のデザインがおそらく模範にしただろう1972のプジョー305。その後継車であるのが505である。1stスカイラインと305はそっくりな外観を持つがその後徐々に方向性は分かれていった。丁度505が現役だった時代、スカイラインは7th・・・つまり、ニューマンスカイラインと呼ばれる形になった。ボクシーでありながら柔らかい面で構成されている505に比して当時のスカイラインは鉄板を折り曲げたようなシンプルな面構成だった。と、勝手に思っている。出所は同じでも微妙に変化する「行く末」・・・これまさに自動車進化のカオスである。
実はこのくるま、国内ではほとんどお目にかかれないカルト(死語?)な車である。しかし、これなんとも心に刺さるデザインでありボクは非常にスキなのである。まったく奇をてらわない子供が書く「くるま」の形でありながら細やかな部分のセンスがいいという、これまさにフランス以外では生まれないデザインだと言い切りたい(勝手だもんネ〜)。
レンガにボルドーという極めてセンスの良いこの組み合わせは日本人(ボクを含めて)には理解しにくいかもしれないが、高級住宅街にたたずむシルバーのボディーにタンの内装をもつ505は子供心にいたく響いた記憶がある。
なんで今更こんな古い車を?と思うだろうがインターネットで車を探していてふと気づいた。そういえば505って程度が良いのは少ないだろうな〜と。実際、調べてみたがほとんど現存していないと思われる。どうやらマニアの所有するワゴンが数台あるようだがセダンはほとんど出てこないのである。
クラウンほどのサイズのセダンだが背が1400mm以上あるために実物はかなり大きく立派に見える。写真ではわかりにくいと思うが異型のヘッドライトはまるで動物の目である。緩やかに湾曲したラジエータグリルに面一で埋め込まれている様は、どこかネコバス風だ。
僕の中のビッグキャットはジャガーではなくこいつプジョー505で決まりなのである。よほど程度のいいものでなければ所有したいとは思わないが、是非肉眼で見てみたいものである。