メガネ Text : Gran Marron 2003 17 jun
メガネ、眼鏡、(^0_0^)は顔の一部です。
ボクは中学生から眼鏡を使用している。いわゆる近眼ではなく「乱視」なのだ。だから眼鏡をかけなくても人の顔が見えなくて困った事はないのだが、信号の矢印のような形状が判断できなかったり、「一面レンガ」のような場面に置いて全く距離感が無くなるのだ。例えば広い公園があって広大なエントランスが、一面タイルだったとしよう。そこが坂になっているのか、階段なのか、あるいは塀になっているのかの判断がつかないので恐ろしい。テレビ画面に例え、近眼がノイズが多くてよく見えない状態だとすると、乱視は画面に幾重にもゴースト(画面のダブり)が出てきて一個物は判断できても全体像が明らかにならないという感じだろうか。
視力の低下を避ける為に読書やオベンキョ以外は極力眼鏡を避けるようにしていたのだが、大学2年生の頃だったろうか、街中のショールーム内で自動車を物色している同じクラスの女の子を偶然発見した。
彼女はお金持ちのお嬢様。貧乏とはいえ自動車好きのボクとしては、アサハカな知識をひけらかし
「マロちゃんクルマに詳しくってステキなのね。ドライブに行く時は一緒ヨ!」
などと嘆願されるバカな想像しながら喜び勇んで走り寄った。
Gowahaaanemmmmmmmmm・・・
突然、体中に衝撃が走り、気が付くと体はゆっくりと真後ろに倒れてゆくのがわかった。
気がつくと、軽い脳震盪のような浮遊感を憶えながら大の字にノックアウトされいたのだ。地面に強かに後頭部をうった時、口元に湧きあがった鈍い痛みと口腔内に残留する歯の欠片で
「ガ・ガラスの壁か・・・敗れたり・・・」と状況を認識したのだった。
彼女は物凄い衝突音に気づきこちらを凝視していたようであったが、頭を掻き鼻血を出しながらのテレ笑いで前歯が欠けていたのでは、ほとんどゲッツー。瞬時にそう判断したボクは顔を隠して全力でその場から逃げた。
そんな事から、極力眼鏡をかけるようになって久しいが、一時期、コンタクトレンズも検討した時期もあった。・・・が、なにせ眼をこするたびに外れるコンタクトレンズには辟易し今日に至る。
様々な眼鏡にチャレンジしているが、ここは一つこだわりの一品という事でボクがこだわっているのがアイメトリクスである。ヤクルトの古田やプロゴルファーの倉本などが愛用しているそれである。一見スポーツ用メガネという感はあるが実は大変実用性が高いのだ。プロスポーツ選手が愛用しているものはポリカーボネイト製のレンズを採用しているタイプのモノで硬球が当たっても割れないのだそうだ。ポリカーボネイトとは、カーボンがポリなのである。ポリとは長く繋がった状態を指し、単一のモノに対して複数のポリである。つまり炭素が立体に組み合わさっているのがダイアモンドで数珠繋ぎになった構造をしているのがポリカーボネイトである。ちなみにポリ・バケツはバケツがたくさん繋がった物ではなく「ポリ・エチレンのバケツ」という意味なので誤解のないように。・・・で、ポリ・カーボネイトであるが、像が踏んでも壊れない「アーム筆入れ」からはじまって現在はペットボトルの材料として日常生活に蔓延している材質でなにしろ「割れない」のである。これはアイメトリクスの中でも最も高価なオプションであり合計90000円程度になってしまい実用的ではない。しかし通常のレンズでアイメトリクスをオーダーすると50000円程度で、これなら普通のメガネと大差が無いわけだ。
50000円が高いか安いか?という命題にぶつかるが、ここはハッキリと安いと言える。何故か?それはランニングコストである。
眼鏡は壊れる事が間々ありその都度、買い換えを余儀なくされるがアイメトリクスは細かくパーツ毎に購入できるので安くつく。
実はつい先日も鼻当てのパーツが折れてしまいレンズとレンズをつなぐ真中のパーツを折ってしまったのだが、2000円少々の値段でNEWパーツに交換ができる。普通の眼鏡はここを折ってしまうと再起不能であるところだ。
またFit感の良さは特筆すべきモノがあるが、一つ一つがオーダー製であるから当たり前といえば当たり前である。しかしその精度が凄い。ではどのように作るのかをご紹介しよう。
黒くて大きな箱は丁度ダンボール箱程度の大きさであり、イスに座ると丁度「顔」が、そのブラックボックスの中に入るようになっている。
箱の中から「耳かけ」部分であるテンプルが出てくる。そいつを耳にかけ、中にある鼻当てに顔を押し付けるとコンピュータが顔の凹凸を測定する。
顔の凹凸(アンジュレーション)はコンピュータグラフィックできれいに表示され、さらに顔の写真が現れる。そこに様々なレンズの形が現れ、好みの形を客観的に選択する事ができるという、実に巧妙な仕掛けだ。
この仕掛けにヤラれてしまったのが購入の直接的な動機だが、今はこのハイテクFit感に充分満足している。ボーナスが出たら偏光レンズのついたサングラスVERSIONをつくろうと思っている。その時は名前と好みの色形を伝えるだけで、ボクの顔のデータは既にメーカーにあるので面倒な作業は不要である。ちょっぴり残念であるがなんとも便利である。