アルファとメルセデス
文:喜多川グラマロ
最新の自動車というものは凄い!運転席というよりはオペレーションシートといった趣である。なにやらコンピューターで制御された各種インジケータが光り輝き・・・まばゆいばかりである。異体の知れない記号や数字が羅列されている。うむ〜これは自動車の形をしたハイテクマシーンだ!
先日、友人と蕎麦を食しにいった時の事である。友人の真っ赤なアルファが真っ黒になっていた。汚れていたのではなく156から156に買い換えたのだそうだ。バカ丸出しである。しかし・・・バカになるほど魅力的なのだという証であろうから、どのくらい魅力があるのか探ってみることにした。
冒頭は、運転席に座った時の第一印象である。
この2台の違いたるや尋常ではない。まるで3人で無線を駆使しながら地図を睨みながら操縦していた頃の747-100やロッキードのトライスターと最新鋭機777-400
くらいの違いである(う〜むかなり解りにくい)。
70年にデビューした747-100、ロッキード事件の主役トライスターは72年にデビュー。ともに基本設計は60年代後半。73年デビューのR107も当然60年代後半の基本設計ということになる。
一方ボーイング777は1997年。まさに伊太利亜でアルファ156がデビューした年である。
トライスターと777では雲泥の差があるがSLと156に雲泥の差があるか?・・・ある。
これ偶然かもしれないがトライスターや初期のジャンボは全ての操作がマニュアルでフラップの空気抵抗を操舵桿に感じながら飛んでいたという。R107はボディーのきしみやロアアームのゆがみを感じながらコーナーリングする。
777は最適のコース、最適の角度、最適の出力・姿勢・・・すべてコンピューターが自動的に制御する。
アルファの156は直噴エンジンで最適の燃調を保ち、ステアリングの舵角やトランスミッション、クラッチミートまでが最適の状態になるようにコンピュータで制御されている。しかも燃費をはじめとするあらゆる付加情報がCRTにディスプレイされる。
とはいえ、エンジンで4つのタイヤを回転させ前輪角度を変化させ曲がって、タイヤの摩擦力で止まるという基本構造はまるっきり同じである。
・・・でちなみにボンネットバッジをふたつ並べてみたが、その品質はけたたましくちが〜う!まぁオイラは「手作りの良さ」といいたい。
質実剛健、洒落っ気無しドイツの旧車と伊達、洒落、派手イタリアの新車を比べるとその差がハッキリしていて面白い。ボクは排他的な考えを持たず固執する性格ではないので、この最新型イタリアンカーに決してネガティブではない。欲しくなった(^^;
まあでも不思議なことに「次は・・・」とあまり思わなくなったのは事実でしばらく107熱は冷めないであろう。もし潤沢に資金があったらどうするか?
R107を再生新車にしてみたい(笑)。
そういえば古い車や走行距離に関してはあまり抵抗の無くなった昨今、もっと古いのにも興味が出てきた。困ったものである。
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