ルミノックス・・・
最近のお気に入りといえばこれだろう。僕にしては珍しく、これで十分に満足してしまい、他の時計が気にならなくなった。これがどの程凄いことかというのは、かつての時計遍歴からお分かりいただけると思う。中学校のときに祖父から買ってもらったSEIKOから始まり、ムーンフェイズに惹かれ、大学生の時に祖父からもらったROLEX1601で開花する。80年代半ばの当時はGショックが流行っていたので、ステン一色の1601は友人からよく「じじーくさい」と言われた。もちろん私もそんなに高価なものとは思っていもいなかったが、電池がいらない自動巻きという機能はこの中で完結しているわけで、よく考えると凄い技術の集合体なんだと関心しきりであった。デザインがあまりに古臭いのでセイコーダイバーというやはり自動巻きの時計を父から譲り受ける。父がラドーを購入したからである。あの時の自慢げな父の顔は今でもまっきりと記憶している。その後もROLEXが好きで1601が2個、同じくデイジャストがステンとコンビの2個、GMTマスターUを一つ。都合5つ所有することになった。しかし途中途中でエルメスやカルチェ、Gショック、オメガとなにせショップで新たな時計にターゲットを定めどうでもいいという気にさせてくれたことは無かった。・・・で、これである。ルミノックス。二年前の出張で、機内誌に掲載されていた。限定100個通信販売としてである。自動巻きとは違うが、電池の有効期間は約10年。10年間動き続けるなんてほとんど自動巻きの世界である。時針についている発光体はトリチウムのガラス封入カプセルで20年間発行し続けるのだそうだ。トリチウム・・・恐ろしい・・・
しかしそのおかげで視認性は恐ろしく良い。24時間365日×20年、いつでもどこでも何の操作も無くバッチリ時間が確認できるのだ。昼はもちろん夜もきれいに光っている。丁度見難い夕方もチラっと見るだけで完全に時間が把握できるのだ。これはカタログスペック以上のものがあるが、都会のビジネスマンがこの恩恵に与る状況というのはほとんど無いだろう。しかし、一丁事あってアウトドアに出たりするならもうやめられなくなるに違いない。すべての時計を捨てここに至った。
剛健なる金属ボディーに重厚な無反射風防を持つ「空軍パイロット仕様」とTVドラマの中の木村卓也から映画の中のジョージクルーニーまでが愛用した軽量・ベルクロバンドの「海軍ダイバー仕様」のふたつ。これがあれば地球上のほとんどの状況でリストウォッチとしての性能は確保されていて、それ以上ではない。全てが99点。100点もないが98点もない。この2本で・・・ボクの「趣味・興味」の項目から「時計」というアイテムが消えた。