古都の匠を継承する人

〜銀細工の職人〜
                                                          TEXT : 喜多川 グラマロ
手先が器用なその人は、英国で伝統工芸を習得する為に留学していたそうであるが、その師匠に日本の伝統工芸について聞かれると何も答えられない。
そんな時、師匠はこう言ったそうだ・・・『ここへ来るよりも日本にあるスンバラスィ〜伝統工芸を勉強する方が先なのでは?』
かくしてその人は・・・現在は京都で銀細工の職人となっている。


ボクは京都にマンションを借りてWeekdayの約半分をそこで過ごしているが、古い町並みを色濃く残した御池通りの京都市役所に近い場所にそのマンションはある。出社する時に毎朝通過する古い店舗のひとつに「鐐(リョウ)」というお店がある。
最初は正直なんと読むのか解らなかったし・・・この店名、ワードの変換では通常出てこないのであるが、そこがまた気になっていたひとつの要因である。夜になると格子の隙間から陳列してある銀細工を垣間見ることが出来る。もともと携帯電話にストラップのひとつでも、と考えていた折、丁度良いものが目に入った。ボクの干支である「午」の根付けである。

ある晩も、格子戸から光が漏れていたので覗いてみた。なんと!その小さな銀細工に向かって何やら作業しているのは想像と全く違う女性・・・と言うよりは「女の子」に近い風貌なのである。くわえタバコで暖簾をくぐったからには・・・
 『クヌィチワ〜 草刈マサオでぇ〜す』

先般、久しぶりに知人から発せられたこんなネタは、死語マニアのボクに深く突き刺さっていたが、京都という土地柄と恐らく現役の草刈氏を知らないであろう年齢であった彼女を目の前に思わずそのセリフを飲み込んだ・・・。
 『こんちわ〜 あははは・・・ 寒いね〜 ・・・京都は(^^; 』ってなわけで幾つかのお買い物をしたわけだが、なんだか500年前の世界に戻ったような錯覚に陥った。

あまり伝統工芸的なモノに興味は無かったのだが、この根付けは純粋にカッチョ良いのだ。
ボクが午年生まれだから仕方がないのだが・・・
ブッチャケ、根付けというよりは、ほとんどフェラーリのオリジナルグッズである。しかもこの暴れ馬は2Dではなく3D的な要素がふんだんに盛り込まれた造りの良さなのである。尻尾までたなびいていて厚みもタップリとしている。

ここでは様々なものが作製されているが、金属の塊であり銀素材の何かがほしければここへオーダーすると良いだろう。
ほとんどのオーダーには良心的に対応してくれると思う。
興味のある方は、京都に行った際是非立ち寄っていただきたい。
場所は地下鉄の「烏丸御池」からぶらぶらと徒歩8分。「京都市役所前」からなら4〜5分といった所。
御池通りの一本北側の通り、烏丸通りと河原町通りの中間と思えば良いだろう。

詳しくは下記のHPへ
http://www3.ocn.ne.jp/~chikuedo/


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