宇宙開発事業団を訪れてみた。
・・・といってもHPを覗いただけであるが、新たにいろいろと認識させられたわけである。ボクが、いままで抱いていた宇宙飛行士という存在は、映画に出てくる特別な人種であり、地球レヴェルで賢く、かつとても健康な、完全に「二物」を与えられた人たちと、頑なに思っていた。もしボクが夏休み子供相談室のアルバイトをする事になって、「宇宙飛行士になるにはどうしたらいいの?」と尋ねられたら「まずはコロンビア大学に入る事から始めよう!」などと訳のわからない事を言ってお茶を濁すであろう。しかし昨年のコロンビア号の事故で、これでは洒落にならないと思い『万が一誰かに「宇宙飛行士になるにはどうしたらいいの?」と相談を受けた時にうろたえないように振舞う為の準備委員会』を発足したわけである。ずいぶんとレアな状況にも対応できるよう日々の努力は欠かさないのだ(肝心な事はやらないが)。
宇宙飛行士について研究を進めていくうちに、今までの陳腐で幼稚な認識が徐々に変わってきたのだった。簡単にまとめると別に世界一賢くなくてもイイらしい。最低条件は「英語」と「忍耐」だそうだ。良く考えてみたら、宇宙空間という極めて特殊な環境で、キレる事無く日々の作業や実験を淡々と進めていくには、忍耐強い精神力がもっとも必要になるであろう事は想像に難くない。なんだ!それだけか〜なんて思ってよくよく研究を進めると、結果的には「航空機パイロット」+「無線のエキスパート」+「大学の研究員」+「健康優良児」+etc. という能力を持った人でなければならないらしいのだが・・・
実際にコメントが掲載されていたが、NASA現役の飛行士から見た「宇宙飛行士にもっとも大切なモノ」といえば、それは人としての「協調性」なのだそうだ。孤立した空間において司法・立法・行政という本来分離した機能を全てあわせ持つ必要がある職業といえば、航空機のパイロットや大型船舶の船長が有名であり、よく「人間性が・・・」という言葉が使われるが、「協調性」といったキーワードは、飛行機や船舶のキャプテンに必要な要素としてなかなか出てこないであろう。宇宙飛行士の条件にこれが出てこないということは、宇宙空間においては、其々がフラットである環境が最もストレスが無いという事であり、強力なリーダーシップはかえって環境を悪化させ、作業効率の悪化を招く可能性を秘めているとNASAは判断しているからに他ならない。宇宙飛行士は過酷な条件が加わりストレスフルな環境で何日間も作業を進めていくにあたり精神的健康が占める要素は、他に比較し大きいだろう事はなんとなく理解できたのだが、更に調べを進めると意外な事がわかった。
宇宙船の中は非常に狭く、当たり前だがシャワーもない。完全な機密性が生存を可能にしているのだが、この完全密封状態はすべての匂いを封じ込める。「匂い」ならまだいいが「臭い」となってくると大変である。当然トイレの悪臭だって貴重な空気である。こうなってくると空気とは単純に生命維持の為、肺を循環させ体に酸素を運び込む道具である。仮にそれが他人の「屁」だとしてもだ。宇宙飛行士レヴェルの忍耐力とは、素人が真似できるほど半端ではない。人のオナラで深呼吸する事ができるのである。恐るべし…
そんな恐るべし忍耐力を持つ宇宙飛行士も、ローテーションで初めて宇宙ステーションに入ると全員一致で「ここは、強烈にウンコくせーなぁ〜」と思うのだそうだ。
しかし、便利な事に人間の鼻は「慣れ」という機能を持つ。結局、慣れてしまうのである。駅のトイレで「臭い」などといっていては宇宙飛行士に必要な協調性が足りない証拠でありまだまだ鍛錬が足りないのである。そう思うと今まで臭くて息を止めていた駅の公衆トイレも平気になってくるから人間はたいしたものである。…では、ここ渋谷駅で早速実験を、
…宇宙飛行士にならないから やっぱや〜めた!