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Reスカイ・ハイ

現在、機内から見る窓の外は真っ暗だが、右側の窓から下方を覗くと恐らく富士山が見えているはずである。東京から香川県高松市に向かっているのだが、詳細に表現すると今は岡山に向かって飛んでいるのである。高松に向かってまっすぐ飛ぶはずだったのだが低気圧にやられたのだ。つまり悪天候により高松便は欠航し、岡山から陸路で高松インという拷問に近い移動である。職業柄、飛行機は頻繁に利用するが悪天候に行く手を阻まれるのは久しぶりである。実感として悪天候による欠航などと言うものは極めて稀にしか発生しないはずだ。直近2年間に限って考えると、僕の搭乗は120回をゆうに超えているが、天候による欠航は記憶に無い。僕に限って言えば、悪天候で飛行機が欠航する確立は1%未満である。現にこの便の一つ前、約二時間先に飛んだ便は、無事高松に到着したようである。「よりによってボクが移動する便が欠航しなくても!プンプン!」と思う。本来であれば今ごろ高松で上手い酒を一杯やっている時間である。

しかし僕は公言して憚らないのだがANAでの一杯は、なかなかおつなモノである。

仕事が忙しく移動の機内で業務を追行しなければならない時、・・・そんな時に限って手元にビールが届く。「どうぞ(笑顔)何かありましたらご遠慮なく申し付け下さいませ(ニカッ)」これが業務遅滞の原因である。大好きなオリオンビールは飲み放題。またANAはツマミが妙に美味い。美しいキャビン・アテンダントの素振りは「俺って愛されている!」と大勘違いしてしまうほどの真心こもったサービスである。しかもANAは何故凄いかというと皆「じぇ~んじぇん愛想笑いじゃないモンネ!本気ヨ!」みたいな子悪魔的笑顔がチャーミング(死語)なのだ。オリオンビールを一気に2缶飲みほしてからヤオラ「いかん!いかん!」と自らを戒めイザ、とかいっているうちに今度は「本日は散らし寿司をご用意しております。お飲み物のおかわりはご遠慮なく申し付け下さいませ~」

…食事である。基本的に怠け癖のある私にANAの極楽機内サービスはほとんど拷問であるといっていい。仕事が詰っていても全く手につかなくなり「まっいいか!プハー」となる。真正面のスカイビジョンでは、ジンベイザメが巨大水槽を優雅に泳ぐ世界随一の沖縄「美ら海水族館」のリポートと、テーマがまた見事にいい所をついている。

毎回「ボクちゃん本気出して仕事やっつけちゃうモンネ」と勇ましくボーディングするのだが、ベルトサインが消えるや否や提供される笑顔付きビールに一撃でやられてしまうのはおわかりいただけるだろうか?とかっているうちに副交感神経がドンどこドンどこと活発に働いて、腹部に軽い充足感がミナギル。「いっちょう行ってくるか」となった。

羽田空港内待合ラウンジにおいて、下腹部の軽い第一アタックをクリアしたのは40分前のこと。今おだやかなピークをもつ第二のアタックが打ち寄せていたのであった。

ご存知だろうか機内のトイレットはモンノスゴイ負圧を駆使し一撃で排泄物を飲み込んでしまう。ズゴゴゴーッという激しい音とともに一気にいなくなる分身の前に呆然と立ち尽くし「み・・・みごとだ・・・」と汗を一適たらすのである。で、みごと飲み込まれた「ブツ」は高度32000フィート(約1万メートル)からフリーフォールし大気圧を使ったみごとな受動拡散で地上に着く頃には「霧」のような状態である。

・・・だったら大変である。街を歩いていて突然「なんだかクセ~霧が降ってきたぞオイオイ」となってしまう。30年程前メインで活躍していたボーイング707やYS11の頃はそうであったようであるが…。

タンクに収められたブツは当然空港で処理されるのだが空港といっても処理できるのは成田、羽田、伊丹、関空、千歳、福岡、名古屋のわずか7港だけである。関空・成田はほとんどが国際線の発着である事を考えると国内線は事実上5港という事になる。つまり「飛行機用バキュームカー」はここにしかないわけだ。旅客機は一つの区間をシャトルするのではなく福岡~大阪~札幌~東京~広島と回り回るのはご存知だろうか?札幌-東京便は同一区間を何度も往復するわけではない。理由はただ一つ「汚物処理の為」である。

つまり「汚物」は航空機のフライトローテイションに多大な影響を与えているのだ!恐るべし・・・ウンチョス