大変便利なバリ3の携帯電話。しかし通話中に途切れ途切れになる電波の悪い状況下では忌々しい事この上ないのも携帯電話である。そこで「受信」というものを科学し良好な携帯電話環境を確保しようというのが今回の目的である。
いまでこそあたり前の携帯電話だが10年前は垂涎のツールであった。機械が好きなボクは比較的早くから携帯電話を所持しており’93年の秋にはノートパソコンと携帯電話を持ち歩いていたと記憶している。ちなみにノートPCも携帯電話も当時は全く使いモノにならず単なる高額なアクセサリーであった。
ノートPCは当時16万円だったように記憶している。価格は、一見今とあまり変わらないようであるが、その性能といったらちょっとした高級電卓程度。モノクロ画面はもちろんのこと、現在のCPU速度を「新幹線」に例えるなら、当時のそれは「牛車」程度だろうか?
CGソフトを使ってメチャクチャシンプルな3D画面を作った(CGツクールにて)ことがあったが、たった一枚の描写に丸3日間かかったものである(これホント)。
EPSONのPC386という恐ろしくシンプルな命名をされたそのコンピュータにはロータス1・2・3と太郎がインストールされていたが、用途はほとんど・・・無かった。というか使えたシロモノではなかったのである。
さて、本題の携帯電話であるが、当時の携帯端末は10数万円もした時代で、通話料金も爆発的に高額だったうえにほとんどコードレス電話の子機サイズ。バブル時代の必須アイテムであったルイビトンのセカンドバッグに忍ばせておくのが「もっともお洒落」な時代であった。
当時、ピンク色の公衆電話から友人の携帯電話にかけた事を憶えているが、10円玉を入れるや次々と落ちていくので10円玉の落下に追いつくのがやっと。おそらく10円で2〜3秒だったと記憶している。当時は既にテレホンカードも登場していたが赤いデジタル数字がみるみるうちに減少していくという、正にカウントダウンされる様はほとんど体のいいカツアゲである。当然、もったいないので他人の携帯端末に電話する状況というのは・・・無かった。
しかしこの不要とも思われるアイテムにも存在価値があった。この二点のアイテムのおかげで営業先ではこと話題に欠く事は無く、夜の宴席では主役をゲットできたのも事実である。ススキノの街角で携帯電話をかけている(かけたフリ)と、道行く人が振り向き羨望の眼差しをくれるのだ。今では信じられないかもしれないが、夜のバーカウンターでさりげなくゼロのアタッシェからPCをだしてカチャカチャと入力しながら携帯電話に手をかけると「そりゃも〜カッチョイイ〜!」な時代だったのだ。当然、周りのおじさん達は「けっ!バーローッ」とかいう目で見ていたが、当時はまちがいなく心の底で「うう〜っ・・・あの若ゾーめ、カッチョイイなぁ・・・」と思っていたに違いない。女性社員からも「進んでる〜、新人さん!」などと、今では滅多にお目にかかれない死後でお褒めに預かることしばしば。実力の無い人間が走る最も安易なツールではあるもののやっかみという意味で若いボクは、先輩達から執拗に攻撃を受けたのも事実である。48回払いものローンを払っているのだからそれくらいは目を瞑ってもらいたいものである。
さて、本題に戻ろう。携帯電話の電波状況を悪化させる因子について考えてみようという本質を忘れてしまうところであった。
僕の研究によれば、ちょっとしたコツで忌々しい「ブツ切れ会話」を回避できちゃうのである。
電波状況悪化因子
@ 電波が反射、吸収される場所 *これは回避できないので使わないほうがいい!*
1つ目は、「密閉された金属の箱」。金属は電波を反射するので使用は控えたほうがいい。ガラスやゴムは通過できるので、窓でもあればいいのだが、コンテナや金庫の中から大事な通話は控えるべきである。(使わね〜よ!)
2つ目は水中である。これも電波吸収を回避できないので使用は控えるべきである。水中は・・・(だから使わね〜って!)
A 人体 *これは原理を理解する事で回避できる!*
もっとも電波障害を起こす部位は、「手」である。机に置いてある状態が受信状況「100」だとすると手に持った状態は「2〜5」というミゼラブルな状況になる。つまり手にもたずに使用する事を推奨するわけである。(・・・。)更にいうならば頭である。頭には水分がたくさんあるので電波の飛んで来る方向を遮断しないようにする事が大切である。耳に電話機を当てたまま360度回ってみると、どこかにデッド・ポイントがあるはずである。基地局と携帯端末を結んだ直線状を頭部が遮らない状態で使おう!また以外に知られていないが、電波は縦に飛んでくるので携帯電話は縦に使わなくてはいけないのである。内蔵のアンテナが地面と垂直になっている状態がもっとも受信環境が良い。
アンテナを理解する
携帯端末のアンテナは、内蔵のモノよりも引き出した状態で若干感度がいい。あたり前である。
ちなみにアンテナとは電波の波長によってその長さは決まる。アマチュア無線で良く使用される144MHzは波長が2mであることから、通称「ツーメーター」と呼ばれる。つまり2mのアンテナで拾う事のできる電波である。しかし2mのアンテナは邪魔になる事が多いので、実際の機器にはらせん状に短くなったりしているものが用いられるのが一般的だ。また音波でいうところの倍音、つまりオクターブ上下に共振する音域がありこの理屈から、電波も一定の比率(4/4もしくは3/4もしくは1/2そして1/4)でアンテナを短縮しても電波を拾う事ができるらしい。430MHzで波長は70cm程度。携帯電話は更に高い波長を使っているので短いアンテナで事足りるわけである。同じ周波帯の携帯端末はアンテナの長さが同じなので見てみるといい。ついでにいうと波長の長さは300÷周波数(MHz)=mで求められる。
・・・で、つまりアンテナは波長にあった長さである事が大切である。したがって中途半端に伸ばすと、実はコレもっとも受信環境が悪く、逆に針金を繋げても感度はUPしないのだ。
これでおわかりだろうか?おそらくアンテナを中途半端にして水中や金庫の中から電話をかけなければならない状況は日常生活ではほとんど皆無であろう事から、我々がちょっと工夫する事で受信状況を良くしようなんて事は土台無理な話しなのである。(自爆)
普通に使っていれば最高の状態なのである。
ここまで読んでくれた方にバカヤロウと言われないために(もう遅い?)一つだけ得な話しを。
「圏外」表記が出ている時の電池の消費量は、受信可能状態のそれに比べて大きいのだ。圏外にいる電話機は、「オイラはここにいるぜ〜ベイベ〜!電波はどこだ〜い?」と常にがんばっちゃっているために電力消費が激しい。明らかに電波が拾えない海の中(もういい〜よ)や金庫の中にいる時は電源を落としたほうがいいということになる。でもいまどき充電が一日もたない電話なんてないだろうから、これもやっぱり不要な情報なのかもしれない。
嗚呼、画面の向こうから「バカヤロウ」という声が聞こえる。