ココロのサプリメント
朝、さりげなく磨いている歯。その歯磨き粉の成分を見た事があるだろうか?何やらカタカナがドッサリと書き連ねられていて、なんだか良くわからないものがいっぱいなのだ。ピルビン酸・・・クエン酸・・・もう口の中がカタカナだらけである。
そんな中の一つ、「アスコルビン酸」という名前を聞いた事があるだろうか?
それはきっと、ずいぶん昔にフランスの化学者「アスコ・ルビンさん」が発見した「酸」なのかな〜?と、
いかにも文学部的発想(「勝手な思込み」とも言う)で眺めていたものだったが、要はこれVitamin-Cの事なのである。何故アスコルビンなの?しかも「酸」ってなんだろう?冷静に考えると「酸」自体がなんだか解らない。乏しい想像力を働かせて・・・「白い粉末で、口に入れるとシュワッとして酸っぱい感じがするモノ」というなんだか根拠レスな話しになってくる。
でもっと釈然としないアスコルビン酸であるが、
「なんだ〜ビタミンCか〜」となる。
「ところでビタミンCって何?」突然、頭の中で自問自答した。
冷静になって考えると「ビタミン」ってなんだかよくわからないものである。体に悪い事は無いだろうが、どれくらい良いのであろうか?探究心旺盛なボクは、早速辞書をひいてみた。
ビタミン自体は広辞苑にこうある。
「・・・成長を遂げさせるために不可欠の微量の有機物の総称。動物が自分の体内で生合成したものを直接または間接に摂取しなければならない。・・・」
(ちなみに、成長を・・・微量の無機物はミネラルという)
あえてビタミンC(以下VC)にだけフォーカスするが、ここで注目なのは微量であるという事。つまり「ちょびっと」だけ必要なのである。具体的にいうと成人男性が一日に必要なVCの量は100mgであるが「100mg取らなければいけない」ではないので注意が必要である。つまり100mgも摂取すると充分だという値である。ちなみにほうれん草一束で十分お釣りがくるわけだ。他にトマト一個でもいいし海苔にいたっては4枚ほど食べるとほとんどの重要な一日分のビタミンを網羅できる。それ以上のモノはオシッコと一緒に便所に流しているのである。あ〜もったいない。
ビタミンCがたくさん入っている錠剤やドリンクを飲むと、もうオシッコまで「効いてます〜」というくらいその痕跡を残す。しかしよく考えてみると、「効いている」のではない・・・「出て」いるにすぎないのだ。
考えて頂きたいのは、あなたは海苔4枚で一日をしのげるか?いや、いろんなモノを口にするはずであり、逆に1食くらい抜いたってどうということはないようにできているのが生体なのである。ヤブカラボウにサプリメントに走るのはなんだか愚かしく思えてならない。
さて、本題の「ぶった切り」の主役は、FA〇CL・アク〇ィオ・LOLA・ネイチャー〇イド・ホウ〇ンの各VCサプリメント製品である。能書とおりに服用する場合の1日量に含まれるVCは平均900mg近いわけである。「100mgで十分ですよ」というVCが、である。
有名な「ネイチャー〇イド」。製薬メーカーがデリバリーしているのでなんだか安心であるが、こいつに至ってはVC、VB、VEどれもが一日分量の10倍から20倍の含有量であり、それを毎日飲まないと健康にはなれないような「物言い」なのである。
さすがに変だと思い、インターネットで覗いてみたら・・・
許容限界量以内でビタミンを選んで購入しよう!みたいなシクミになっている。そして許容限界値内で貴方に合ったビタミンをコーディネートしましょうというノリだ。許容限界量とは腎臓や肝臓で処理しきれず過剰接収による毒性を懸念しなければならない領域である。なにごとも許容限界ではなく必要十分量を摂取するのが一番自然である。毎日、吐く寸前まで食べて怒涛の勢いで排泄・・・そんな生活をくり返すよりも、腹八分目の精神が大切であることは説明するまでもないだろう。(ボクは許容限界の借金をしてしまい本当に苦しい思いをしている。)
一種類一日あたり10〜20円のサプリメントは口に入ってから見事に便所に流れている。いや、流している。ということは下水の中はビタミンだらけなのか?東京の巨大な地下下水に住む動物達は案外、この恩恵にあずかっているかもしれない。日光の届かない暗い闇の中で巨大なワニが生きられるのも皆さんのおかげなのか・・・?っんなわけないか!
サプリメントとは、「追補」という意味である。毎日、深夜まで頑張っている都心のOLやビジネスマンは別としても、例えば毎日ほぼ決まった時間に3回の食事が取れて、一日あたりの睡眠が確実に6時間以上取れている人は・・・うふふふふっ?効いてるの?という気もしないではないが、これもアリなのだろう。なぜなら「私、これが無きゃ全然駄目なの!ゴクゴクッ・・・満足!満足!」という精神的充足感も健康にはビタミン同様に必要なモノであるから。