ファーストインプレッション
基本的に古いバイク。「リファインにリファインを重ねここまできたんだなぁ・・・」というのがキーを受け取った最初の印象である。このページの色彩はあえて80年代風を表現してみた。ニンジャにもバブルが上陸する前夜の興奮が見て取れる。都会的ノスタルジーとでも言おうか・・・急に大学生に戻った。
ちょっと長めのクランキング「ヒォイヒォイヒォイウォイッバ、ボウォボウォボウォボウォボウォボウォ・・・」
慣らしも終わったいい辺りの走行距離。滑らかに回るエンジンの中にカワサキノイズがしっかり混じっている。跨ると以外にもハーレー級に足つきがいい。べったり!とは言わないが両足の踵が数ミリ浮く?程度。
新幹線のように長いカウルが懐かしい!この感覚はGPZ400F以来である。
アイドル1000rpmで、ゆっくりとクラッチをつなぐ。いとも簡単に発進する。2速、3速・・・ん?ギアがクロスしているのか?何速に上げてもボーッと加速する違和感がある。
原因はすぐに判った!トルクだ!
ハーレーからの乗換えで大型マルチの緻密なトルクが濃厚に感じ取れる。狭角V2は不当間隔の爆発の間に完全に隙間が出来る事を体感できる。しかし、忘れていたマルチにそれはないのだ。
マフラーはスーパートラップだがトルクフルにセッティングされているのでカーンと抜けるような吹けあがりはないが、2速は発進も楽々こなすほどのパワーを出している。
とはいえ元世界最速チャンピオン。
そこら辺の素人相手なら軽くアクセラレーターを煽るだけで、ミラー内の点にしてしまうことも朝飯前なのだ。
納車後10km程度走行した段階で久しぶりに200の空気を味あわせてくれた。
いろいろ試したが80km辺りでアクセルを戻す。つまり前輪の荷重をかけてやるとブルブルとハンドルが揺れだしかなり大きな揺れになるまで4秒程度。つまり飛ばしていた後に車郡に追いつき手を離して腰を伸ばすシーンがある。当然エンブレかけながらノビなんかしていると5秒で転倒する羽目になる。
マカダムX90の有名な段べりかとタイヤを見るとその落差たるやかなりのものである。既に100Xに進化しているがあの走行距離でああも減るとなるとミシュランはいったい何キロのテスト走行をしているのだろうか?ハッキリいって目で見て触ってミシュランというタイヤメーカーは全く信頼がおけないという印象になった。
そこで、タイヤをこの際だから前後ともBT−012に変更。もっと安いツーリングタイヤで良かったのだが現在、ニンジャの
サイズを用意しているタイヤには限りがあるり、いやでもラジアルの高級タイヤになってしまうのだ。ストリートハイグリップのダンロップの208かBSの012である。どっちも5万円近い出費になる事必至なのでなつかしの響きバトラックス012にしてみた。これは痛い出費であったがミカンちゃんの結納返しが異常な人気で高騰。つまり下取りに出したのではあるがガッサリ戻ってきたので、それを思うと痛くも痒くもない。この際ってことで履いてみました。
ハンドルブルブルは絶対にフロントの段べりと確証していたボクに女神が微笑んだ!
じぇ〜んじぇん「ブレ」ないのである。
これで高速道路で思い切り伸びが出来るようになったわけである。
さて・・・久しぶりに早朝の峠に行きたくなっちゃう気分である。
靴とタイヤの御Newは心弾むもの!
<写真はリアタイヤ>
追記:このタイヤ、とてもグリップがいい!ドライグリップはもちろんだがハーフウェットでも抜群にグリップする。ちょっと走ってやると肩がベトベトになるほどやわらかいがセンターはそれほどでもない。とはいっても5000kmが関の山かもしれない減り方ではある。ツーリング使用で8000〜10000kmくらいの耐久性があればいいのだが・・・無理か!
後輪は指定通り2.7kg/cm2とカンカンにエアを入れているが今のところ全く空気圧の変動はない。また、カンカンに入っているのでタイヤ自体の剛性がとても高いのがわかるが、ダンロップ208のような硬い感じはしない。どちらかというと硬いチューブにやわらかいゴムが分厚くしっかりと巻かれている感触である。208は12Rの時に経験があるが、タイヤが全然潰れない上に表面も硬い印象がありあまり好きにはなれずコルサに変更した。
ピレリのコルサはこれまた変わったタイヤである。やわらかいフロントがしっかり喰いこんで回っていく感じでフロントから入っていく前ノリ系。温まった状態では最もハイグリップなタイヤであった。012は高価だがそれに見合ったパフォーマンスを示してくれるので耐久性以外は◎である。
ブレーキ
そんなに高価なものではないがブレーキも少しだけ手を加えてある。ブレーキを変更したのは初めての経験であるが、これは非常に投資対効果が高いものである。今までのブレーキとは全く違う硬質なタッチがここにはある。ちなみに12Rのそれは、ノーマルでもかなり良く出来たタッチで200km/h以上の速度から人差し指一本でガツンと減速できるものであったが、こいつも同様である。違うのは若干硬いので指一本よりも二本あったほうがいい事と、ストロークはしないものの圧力の加減で微妙なブレーキコントロールが可能であるというところ。つまりレバーの可動範囲が極めて小さい。
大満足なブレーキシステムである。
ボクの「感情」にもこのくらい優れたブレーキがついていれば、人生をコントロールできるのに・・・
ちょうど2000km走った。すっかり慣れたところで改めてじっくりとニンジャを分析してみた。
このバイクは結論から言うとマイルド乗り味である。ワイルドなシャシーとワイルドなエンジンの組み合わせに成り立っつと、全体的にマイルドなるのだろう。原因の1つに、エンジンは洗練されていないことがあげられる。
「よどみなく吹けあがる」こともなく「シャープなレスポンス」でもなく「モーターのような・・・」でもない。ガサツでノイジーで異音だかなんだか訳のわからない音がいっぱいするエンジン。ハッキリ言って味はないのだが、シャシーとのバランスがいいので結果的にスムーズに走るのである。だからマルチなのに直線を流していても楽しいバイクである。気温に左右されやすく外気温20〜23度くらいの時が一番気持ちのいいエンジンだ。
今回、驚いたのは10/10に納車してから約1月と1weekだが距離は走行距離は2000km。これは年間20000kmを裕に超えるペースなのだが、直近に乗っていたGSX、12R、883Rと比較するともっとも走っている事になる。フルカウルにアップハンというラクチンポジションというファクターは当然であるが長距離を走りたくなる何かがあるに違いない。現在の所、不満らしい不満はないが強いて言うならカウルが低くて首までの高さの風防効果しかない事であろう。近々に背の高いスクリーンでもつけてやろうと思う。